Web3・ゲーム事業を展開するDigital Entertainment Asset(DEA)は、政策DXスタートアップのLobbyAIとの業務提携を発表した。
「ピクトレ防災チャンピオンシップ2026」を起点に、市民参加型の防災行動を自治体の政策・予算サイクルへ接続する新たな社会実装モデルの構築を目指す。
全国1,700自治体で防災参加促進へ
2026年5月12日に発表された提携では、DEAが市民参加基盤を担い、LobbyAIが行政・政策分析を担う形で連携することが明らかになった。
本件の起点となるのは、DEAが2026年8月1日から11月30日まで開催する「ピクトレ防災チャンピオンシップ2026」だ。
全国47都道府県・約1,700自治体を対象とした市民参加型イベントで、スマートフォンアプリ「ピクトレ」を通じ、消火栓やAED、避難所などの防災設備を発見・撮影・投稿する仕組みとなる。
参加者は防災アクションを行うことで報酬画面などを通じた協賛企業コンテンツにも接触でき、自治体・市民・企業を横断した参加モデルを形成するという。
目標参加者数は1,000万人規模で、防災訓練への「ほぼ毎回参加」率を現在の4.4%(こくみん共済 coopによる調査)から10%へ引き上げることを掲げている。
ゲーミフィケーション(※)によって防災行動への心理的障壁を下げる狙いだ。
一方、LobbyAIはAIを活用し、行政・議会データ分析することで各自治体の政策プロセスに接続する。DEAが取得する地域別参加率や投稿データと組み合わせることで、自治体ごとの防災課題を可視化し、政策や予算への接続を支援するとしている。
DEAは、2026年6月にゲーム型関係人口プラットフォーム「ご当地ひみつエージェント(GLOCAL AGENTS)」の公開も予定している。
総務省の「ふるさと住民登録制度」との接続も視野に入れており、防災イベントを起点に地域活性化や継続的な地域参加へ発展させる構想を打ち出している。
※ゲーミフィケーション:ゲームの要素や報酬設計を非ゲーム分野へ応用し、利用者の参加意欲や行動変容を促す仕組み。教育や健康、防災など幅広い領域で活用が進む。
防災DX加速の可能性と実装課題
今回の提携は、防災分野における「参加型DX」の新たなモデルとして注目される可能性がある。
従来の防災施策は、行政主導の訓練や設備整備が中心だったが、市民行動データを継続的に政策へ反映する仕組みは限定的だった。DEAとLobbyAIによる、「楽しみながら参加する体験」と「政策分析」を組み合わせることで、防災を日常的な行動へと変えられるかもしれない。
一方で、課題も存在する。1,000万人規模という参加目標は極めて大きく、継続的な利用を維持できるかは不透明である。また、自治体ごとにデジタル施策への理解や予算規模には差があり、全国一律で導入が進む保証はない。
さらに、市民行動データを政策へ反映する場合、データ精度や透明性への配慮も求められるだろう。ゲーム性を重視するあまり、投稿品質や実効性が低下すれば、行政側の信頼獲得は難しくなる可能性もある。
官民連携による防災DXが本格的な社会基盤へ進化するかどうかは、イベント後も継続運用できる仕組みを構築できるかにかかっていると言えそうだ。
Digital Entertainment Asset プレスリリース
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