2026年9月5日、タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)傘下のHyperVaultは、インドのテランガナ州ハイデラバードにて最大1ギガワット(GW)規模のAIデータセンターキャンパスを建設すると発表した。
264エーカーの敷地に1GW規模のAIデータセンターを建設
TCSの子会社であるHyperVault AI Data Center Limitedは、ハイデラバードにて264エーカーの用地を確保した。本キャンパスは、フロンティアAI企業やハイパースケラーの需要に応える専用インフラとして設計されている。高密度GPUの展開に対応し、AIのトレーニングや推論、高度な計算処理を実現する拠点を目指す。
事業推進にあたっては顧客需要や技術要件に合わせ、段階的な整備が進められる計画だ。HyperVaultおよびパートナー企業は、インフラの構築・運営に向けて最大7,000億ルピー(約70,000クロール)を投資する見込みである。
完全構築時にはインド国内で最も先進的かつ最大級のAIインフラ拠点の1つとなる。施設にはグリーンエネルギーや水資源に配慮した設計が導入される。テランガナ州のA・レヴァン・レッディ首相は「歴史的」と評価し、ハイデラバードが世界的なAI革命の最前線に立つ意義を強調した。また、IT・産業大臣のD・スリダール・バブ氏は、2026年1月のダボス会議における首脳会談から記録的なスピードで協議を結実させた経緯を明かしている。
※ハイパースケラー:クラウドサービスやデータセンター事業において、巨大なインフラ基盤を地球規模で広範囲に構築・運営し、膨大なデータ処理能力を全世界の事業者へ提供する大規模IT事業者のこと。
AI革命のハブを目指すテランガナ州 エコシステム拡大に期待
今回のメガプロジェクトは、テランガナ州をAIおよび最先端デジタルインフラの戦略的拠点として定着させる強力な足がかりになると見られる。単なるデータセンターの整備にとどまらず、電力供給や冷却技術、ネットワーク、建設、エンジニアリング、運営など多岐にわたる関連産業を強力に刺激する波及効果が期待される。
地域内では直接・間接を合わせて数千人規模の新規雇用が創出される見通しだ。さらに、ダイレクト・ツー・チップなどの液冷(※)技術や高密度ラック設計といった最新仕様の導入は、世界中の高度なAI企業を誘致する上で大きなアドバンテージになり得る。
一方で、1GWという巨大な電力を安定して調達し、環境負荷を最小限に抑えながら安定稼働を維持することは容易ではないと言える。再生可能エネルギーの確実な確保と持続可能な運用モデルの確立が、今後の重要な課題になると指摘できる。プロジェクトが順調に進展すれば、インドは世界のAIインフラ市場において確固たる存在感を確立することになるだろう。
※液冷:発熱量の大きい高性能なGPUやCPUなどの計算資源に対して、従来の冷却ファンによる空調ではなく、液体冷却媒体を用いて直接効率的に熱を奪う次世代の放熱技術。
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