2026年9月6日、海外のHaierは、ドイツ・ベルリンで開催中のIFA 2026で、AIを活用したスマートホーム・エコシステムを披露した。衣類ケアや冷蔵、調理、映像、ロボティクスまでを連携させ、生活状況に応じて家電が動作を調整する住環境を示した。
AIが家電を横断して生活状況に適応
今回の展示では、コネクテッド家電(※)が周囲の状況を感知し、文脈を理解しながらユーザーの習慣に合わせて動作を変える仕組みを示した。AIはリアルタイム情報をもとに家庭内のさまざまな場面へ適用されている。
衣類ケアではVision 15洗濯機が、内蔵カメラやセンサー、アルゴリズムを使って洗濯物の量や偏り、泡の量を検知。水量や洗剤の投入量、ドラムの動き、プログラム設定を調整する。冷蔵ではMaestroのプロトタイプにAI Food Care System 2.0を搭載し、保存中の食材を認識して適切な保存条件を推奨する。
調理ではID Ultimate Series 6オーブンの内蔵カメラが食品を認識し、調理の進行を監視。希望する仕上がりに達した時点でプログラムを停止できる。さらにスマートテレビではUltraSense AIがコンテンツと周囲の環境を分析し、画質と音質をリアルタイムで調整する。
こうした機能をhOnアプリに集約し、Haier Europeのコネクテッド製品やサービスを一つのデジタル環境で連携させる点も特徴だ。Haier Smart Homeは2025年の世界スマートホーム売上高で世界No.1と評価され、登録ユーザー数は1億3,000万人を突破している。
※コネクテッド家電:インターネットなどを介して他の機器やサービスと接続し、情報を共有できる家電。
AIとロボティクスが家庭の実作業へ広がる
Haierはスマートホームの知能を物理世界とのインタラクションへ拡張する方向も示した。展示では、家電と連携するヒューマノイドロボット、物体や汚れを認識するロボット清掃システム、音声アシスタントや個別支援を担うコンパニオンロボットを紹介。AIが情報処理だけでなく、実際の作業を支える領域へ進む可能性を示唆する。
さらにHaier Exoskeletonでは、センサーとアルゴリズムが動作意図を解析し、補助の度合いを調整する。自然な動きを保ちながら移動を支える設計で、家庭外の身体活動支援にもつながる。
この取り組みを支えるのが、世界の研究資源と地域ユーザーの知見を結びつける「10+N」オープンイノベーションシステムである。Haierは2026年上半期、世界スマートホーム発明特許ランキングで15回連続首位となったほか、AI、半導体、IoTセキュリティなどの基盤技術を中心に、今後5年間で少なくとも130億ユーロを投じる計画も示している。
今後、AI家電の価値は単体の高機能化から、複数機器が状況を共有して生活全体を最適化する方向へ移ると考察できる。一方で、機器同士の連携が深まるほど、ユーザーの習慣や家庭内情報を扱う範囲も広がるため、利便性だけでなくセキュリティやデータ管理への対応も重要と言えるだろう。