2026年4月13日、米オラクルはAI向けデータセンターの電力供給を目的に、米ブルーム・エナジーから最大2.8GW相当の電力を購入することで合意したと発表した。電力制約が顕在化する中、自前での確保に踏み込む動きが加速している。
オラクル、燃料電池で大規模電力確保
オラクルはブルーム・エナジーの燃料電池システムを活用し、最大2.8GWの電力を確保する契約を締結した。初期の1.2GW分はすでに契約済みで、2026年および2027年に米国内のデータセンターで稼働する予定となっている。1GWは約75万世帯分に相当し、AIインフラとしては異例の規模である。
背景には、生成AIの普及による電力需要の急増がある。オラクルはOpenAIやxAI向けのデータセンター建設を進めており、2026年5月期の設備投資は500億ドル規模に達する見通しだ。インフラ事業も拡大しており、直近四半期には49億ドルの収益を計上している。
電力内製化の恩恵と供給競争のリスク
今回の動きは、テック企業が電力を自ら確保する「内製化」の流れを加速させる可能性がある。主要なメリットの一つとして、データセンターの拡張スピードを電力制約から解放できる点が挙げられる。燃料電池(※)のような分散型電源を活用することで、需要に応じた柔軟な増設が可能となり、AIインフラの成長を下支えする可能性がある。
一方で、コストや持続性の面では課題が残る可能性がある。燃料供給の安定性や発電コストが長期的に競争力を維持できるかは不透明であり、再生可能エネルギーとの統合など追加投資が必要になる可能性もある。また、大手企業による電力の囲い込みが進めば、地域や他産業への供給に影響を及ぼす懸念も指摘される。
さらに、電力確保能力が企業競争の新たな指標となる可能性もある。従来はクラウド性能や価格が差別化要因だったが、今後はエネルギー戦略が成長の上限を規定する要素となり得る。AI時代においては、計算資源だけでなく電力をいかに確保するかが、事業拡大の成否を左右する可能性があると考えられる。
※燃料電池:水素や天然ガスなどを化学反応させて電気を生み出す発電技術。燃焼を伴わず高効率で発電でき、分散型電源としてデータセンターなどでの活用が進む。
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