キオクシアホールディングスは2026年4〜6月期決算見通しを発表し、純利益が前年同期比約47.5倍の8690億円になる見通しを示した。
世界的な生成AI投資拡大を背景に、AIサーバー向け記憶装置の需要増加が収益を押し上げる見通しだ。
AIサーバー向け需要が業績牽引
2026年5月15日、キオクシアは2026年3月期決算を発表した。
売上高は前年比37.0%増の2兆3376億円、純利益は約2倍超の5544億円となり、売上高、利益ともに2年連続で過去最高を更新した。
生成AI投資拡大を背景に、AI関連需要が業績成長を支えた形となる。
こうした実績を踏まえ、同社は2026年4〜6月期の純利益について、前年同期比約47.5倍となる8690億円を見込んでいる。
背景には世界規模で拡大する生成AI投資があり、AIサーバー向け記憶装置の需要増加が収益拡大を後押ししている。
特に成長を支えているのが、データセンター向けAIサーバーで利用される大容量記憶装置である。
AIモデルの学習や推論では大量データの保存・処理が必要となるため、大容量ストレージ需要が拡大している。
太田裕雄社長は決算説明会で「AI需要の大きな潮流に乗り、業績は記録的な増収増益になっている。
市場の力強さは今後も続く」と説明した。一方で、2027年3月期通期業績予想は公表を見送っており、年間需要の持続性については慎重に見極める姿勢も示している。
AI特需は記憶装置市場を変えるか
生成AI投資の拡大が、演算半導体だけでなく記憶装置市場にも波及し始めた点は大きな追い風と言える。
AIモデルの学習や推論では膨大なデータ保存が不可欠であり、ストレージ需要はAIインフラの重要な構成要素になりつつある。
今回の業績見通しは、AI関連投資の恩恵がキオクシアのようなNANDメーカーにも広がり始めたことを示す材料になる可能性がある。
一方で、半導体市場特有の変動リスクは依然として大きい。
AI需要が続く間は成長余地が見込まれるものの、クラウド事業者の投資抑制や競合各社の供給拡大が進めば、NAND価格への下押し圧力が強まることも考えられる。
また、通期見通しを示していない点からは、企業側も年間需要の持続性を慎重に見極めている段階と推測できる。
今後は、AI特需が短期的な需要増に終わるのか、それとも記憶装置市場全体の構造変化へ発展するのかが焦点となりそうだ。
生成AI利用が拡大すれば、学習・推論データ量はさらに増加し、データセンター向けストレージ需要は中長期的に底堅く推移する可能性がある。
一方で、市況依存から脱却できるかが、今後の成長持続性を左右することになりそうだ。
キオクシアホールディングス 「2026年3月期 決算説明会」
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