国内Web3企業のSUSHI TOP MARKETINGは、レシートスキャンと日本円ステーブルコイン「JPYC」の配布を組み合わせた販促ソリューション「SUSHI TOP OCR」のPoCパッケージ提供を開始したと発表した。
購買データとブロックチェーンを連携させ、継続型マーケティングへの活用を目指す。
レシート投稿でJPYCを自動配布
2026年5月13日、SUSHI TOP MARKETINGは、独自販促ソリューション「SUSHI TOP OCR(特許出願中)」において、日本円ステーブルコイン「JPYC」を活用したPoCパッケージの提供を開始したと発表した。
このソリューションは、ユーザーがスマートフォンなどで撮影したレシート画像をAIエージェントが解析し、条件を満たした場合にJPYCやNFT(※)などのデジタル特典を自動配布する仕組みである。
対象商品や購入金額、決済手段などを自動判定できるほか、画像生成AIによる偽造レシートや同一画像の再投稿も検知可能としている。
今回のPoCパッケージは、小売業や飲料メーカー、自治体、スポーツ団体などを対象にした「お試し型」ソリューションとして提供される。
受領用ウォレットの新規インストールフローも組み込み可能で、ブロックチェーン技術に詳しくない企業でも短期間で導入できる構成となっている。
また、同社はNFTやJPYCを活用した継続型施策を「複利型マーケティング」と定義している。
従来のレシート応募型キャンペーンでは、景品送付や応募確認などに運用コストが発生し、施策終了後に顧客接点が途切れやすい課題があった。
一方で、ウォレットアドレスを通じてユーザーとの接点を維持できれば、次回施策への再アプローチや行動分析にも活用できるとしている。
※NFT:ブロックチェーン上で発行・管理されるデジタルデータ。唯一性や所有情報を記録できるため、会員証や特典配布などにも活用されている。
購買データ活用拡大の可能性と課題
今回の取り組みは、従来分断されていた「体験」と「購買」のデータを、ブロックチェーン上で横断的に管理しようとする動きとして注目できる。
イベント参加や来店履歴、購買行動などを一元的に記録できれば、マーケティング施策の精度向上につながる可能性がある。
特にJPYCのような価格変動が小さいステーブルコインは、「1JPYC=約1円相当」という分かりやすさから、一般消費者向けキャンペーンとの親和性が高い。
暗号資産特有の価格変動リスクを抑えながら、デジタルインセンティブとして利用しやすい点は導入側にとって利点と言える。
一方で、ウォレット利用やデジタル資産管理に対する一般層の心理的負荷が依然としてハードルとなるリスクはある。
受領用ウォレットのインストール導線を簡略化しても、ブロックチェーンに不慣れなユーザーがどこまで継続利用するかは未知数だ。
また、購買履歴や行動データが蓄積されるほど、データ管理やプライバシーへの配慮も重要になる。
マーケティング精度向上と個人情報保護のバランスをどう取るかは、今後の普及における重要な論点になりそうだ。
今後、レシートOCRとステーブルコインを組み合わせた販促施策が広がれば、Web3技術は投機や金融領域だけでなく、小売やイベント運営など実店舗型マーケティングへ浸透する可能性がある。
企業側にとっては、単発キャンペーンから継続接点型の顧客戦略へ移行する試金石になるかもしれない。
SUSHI TOP MARKETING株式会社 プレスリリース
関連記事:
購買データがNFT化する時代へ SUSHI TOP OCRが販促と顧客分析を一体化
