Progmatは「デジタルアセット共創コンソーシアム(DCC)」内で、日本国債のトークン化とオンチェーン・レポ取引の実現を目指すワーキング・グループ(WG)を設置し、共同検討を開始した。
国内大手金融機関やブロックチェーン関連企業が参加予定となっている。
日本国債をトークン化しT+0決済を検討
2026年5月8日、Progmatが主催するDCCは、「トークン化国債・オンチェーンレポ ワーキング・グループ(WG)」を設置し、共同検討を開始したと発表した。
このWGでは、DeFi(※)型レンディングプロトコルを活用し、ステーブルコインを資金決済手段として利用する構想を議論するという。
参加予定組織には、3メガバンクや信託銀行グループに加え、ブラックロック・ジャパン、大和証券、SBI証券、日本証券金融、東京海上ホールディングスなどが含まれる。
さらに、Secured Finance AGやAva Labs、Digital Asset Holdingsといったブロックチェーン関連企業も加わる見通しである。
Progmatの資料によると、世界のレポ市場残高は2024年末時点で約16兆ドルに達し、2022年比で約20%拡大した。
海外では米国債のトークン化やオンチェーン・レポの実証が進んでおり、DTCCによる米国債トークン化拡大計画も公表されている。
現在の日本国債レポ市場では、取引成立翌日に決済する「T+1」が標準とされる。
一方で今回の構想では、TJGBとステーブルコインを組み合わせることで、当日中にポジション構築から解消までを完結させる「T+0」モデルを検討するという。
WGでは登録国債や振替国債の扱い方、税制・法制度への影響、既存インフラとの整合性なども整理する予定で、2026年10月には法的論点をまとめた報告書を公表する計画だ。
並行してPoCも進める予定で、年内の商用化プロジェクト開始を目標としている。
※DeFi:ブロックチェーン上で提供される分散型金融サービスの総称。銀行など中央管理者を介さず、貸借や取引などを自動化できる仕組みを指す。
機関投資家市場拡大への期待と課題
今回の構想が実現した場合、機関投資家にとって資金効率の改善につながる可能性がある。
T+0決済が普及すれば、取引翌日までポジションを持ち越す必要が減り、日次ベースでのバランスシート負担を抑えやすくなると考えられる。
また、国債を担保としたオンチェーン取引が広がれば、ステーブルコイン市場との接続性も高まる余地がある。
外貨建てステーブルコイン保有者にとっては、円資金運用へのアクセス手段が増える可能性もあり、日本市場への新たな流動性流入を促す展開も想定できる。
一方で、日本国内では振替国債を前提とした既存インフラが整備されており、新たな仕組みの導入に伴う併存コストや実務負荷が課題になるだろう。
特に法制度や税制面での整理には時間を要する可能性があり、商用化を阻む要因となりうる。
さらに、オンチェーン化によって流動性や利便性が高まったとしても、機関投資家がどこまで本格利用に踏み切るかは不透明な部分も残る。
既存市場を上回る実需をどれだけ生み出せるかが、今後の普及を左右する重要なポイントになりそうだ。
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