業界アナリストMing-Chi Kuo氏は、OpenAIがAI特化型端末を2027〜2028年に最大3000万台規模で出荷する可能性についてX上で言及した。米CNETの報道でも同社のスマホ参入姿勢の変化が伝えられている。
AI特化型スマホ構想が量産視野に
2026年5月5日、Kuo氏はXへの投稿で、OpenAIがスマートフォン開発を急速に進めていると説明した。計画が順調なら2027年上半期に量産が始まり、2027年から2028年にかけて約3000万台を出荷する可能性があるという。
この端末は、従来のアプリ中心設計とは異なり、AIエージェントがユーザー操作を代替し、情報取得やタスク処理、娯楽利用をより直接的に支援する構想とされる。
CNETは、OpenAIがこれまで避けてきたハードウェア領域へ本格参入する姿勢へ転換したと報じている。
供給面では、台湾MediaTekがOpenAIスマートフォン向けSoCの唯一の供給企業になる可能性が高いとKuo氏は予測する。同氏は2026年4月時点で、QualcommやLuxshareとの提携の可能性にも言及している。
搭載予定チップはMediaTek「Dimensity 9600」のカスタム版とされ、高度AI処理とゲーミング性能の両立が図られる見込みだ。
主な仕様として、強化HDR対応のISP、多様なAI演算向けデュアルNPU、強力なメモリとセキュリティ機能などが含まれる。
現在もGalaxy S25 UltraやPixel 10 Pro、iPhone 17 ProなどAI搭載機種は増加しており、Grand View Researchは世界AIスマホ市場が2023年5210万台から2030年に約19億台へ拡大すると予測している。
AIスマホ普及は操作革新と受容性課題を伴う可能性
OpenAIがスマートフォン市場へ本格参入すれば、複数アプリを切り替えながら作業する現在の利用形態が変化する可能性がある。
音声や指示ベースで複雑な処理を一括実行できれば、情報検索や日常業務の効率化につながり、スマートフォンの役割そのものがより包括的になることも考えられる。
一方で、消費者が新たな操作体系をどこまで受け入れるかについては、慎重に見極める必要がありそうだ。高度なAI機能が搭載されても、日常利用で明確な利便性を感じられなければ、買い替え需要につながりにくい可能性がある。
さらに、AIが個人行動や視覚情報を深く処理する設計では、従来以上にプライバシーやセキュリティへの懸念が高まることも想定される。データ保護や利用者の信頼確保が市場定着の前提条件になるだろう。
そのため、OpenAI製スマートフォンは単なる新製品ではなく、AIがスマホ体験の中心になれるかを試す象徴的存在になりうる。
成功すれば業界全体の競争軸が変わる可能性もあるが、技術力と市場受容性の両立が重要になりそうだ。
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