国内Web3企業のHashPortは、ハウス食品グループ本社が実施する「JPYCおすそわけキャンペーン」にデジタルウォレット基盤を提供すると発表した。万博で得たSBT保有者を優遇し、JPYC配布を通じて生活者との継続的なデジタル接点を検証する。
JPYCを配布 SBT保有者は当選確率10倍
2026年9月8日に発表された今回のキャンペーンは、9月8日から27日まで実施される予定だ。当選人数は100人で、当選すれば1,000JPYC、1,000円相当を入手できるという。
応募するには、特設サイトから「HashPort Wallet」へログインし、ウォレット上から限定SBTを獲得する。SBTとは他者へ譲渡できないNFTの一種で、ハウス食品は万博関連での施策実績があり、イベント終了後も活用の方向が探られている。
今回のキャンペーンでは、対象となる4つの大阪・関西万博関連キャンペーンで配布されたSBTを保有している人は、当選確率が10倍となる措置がとられている。
HashPort Walletは、万博で使われた「EXPO2025デジタルウォレット」の後継サービスだ。万博期間中にSBTを受け取ったユーザーは、あらためて会員登録をせず参加できるため、イベント終了後も既存のデジタル上の接点を次の施策へ引き継ぐことができる。
今回の施策では、譲渡できないSBTを過去の参加記録として使い、既存参加者を優遇する設計を採用した。HashPortは、現金やポイントとは異なるインセンティブとしてJPYCが機能するかを検証する考えだ。
ハウス食品は「万博でのご縁をきっかけに、これからも日常の中で生活者のみなさまとつながり続ける」として、今回のキャンペーンの意義を強調した。
顧客接点の継続に利点、利用定着と拡張性が焦点
企業側の利点は、大型イベントで得た生活者との接点を終了後も活用できる点にある。SBTを基準に対象者を分け、過去の参加者へ異なる特典を設計できれば、単発キャンペーンを継続的なコミュニケーションへ発展させやすくなる。食品メーカーのように日常的な消費接点を持つ企業では、デジタル施策を生活者との関係維持に組み込む余地が広がると考えられる。
一方、継続利用につながるかは、JPYCを受け取った後もウォレットを使う理由をどこまで用意できるかに左右される。今回の施策は抽選型で当選人数も100人に限られるため、企業との長期的な関係構築にどの程度寄与するかは今後の検証が必要だ。
それでも、万博で作られたウォレットとSBTをそのまま日常施策へ接続する試みは、イベント向けWeb3基盤の再利用モデルとして注目できる。HashPortは今後、食品、小売、エンターテインメントなどへの展開を掲げており、ステーブルコインとウォレットが販促だけでなく、顧客接点を継続する基盤として定着するかが焦点になる。
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