HashPortは三井住友海上火災保険と連携し、SBTを活用した顧客エンゲージメント施策を開始した。
ロイヤリティ基盤「Connect Hub」を用い、V・ファーレン長崎との連携を皮切りに、推し活を起点とした新たな顧客接点の創出と防災・保険理解の促進を図る。
SBT活用で新たな顧客接点創出へ
2026年4月20日、株式会社HashPortは三井住友海上火災保険株式会社と連携し、SBTを活用した顧客エンゲージメント施策を開始した。
両社は、SBT(※1)ロイヤリティ基盤「Connect Hub」を活用し、SBTの発行を通じてファンエンゲージメント向上を図る新たなプログラムを開始した。
第1弾では、JリーグクラブであるV・ファーレン長崎と連携し、防災・減災をテーマとしたキャンペーンを展開している。
本施策の特徴は、試合観戦やオンライン企画といった「推し活」の延長線上で、防災知識や保険への理解を促す点にある。損害保険業界では、契約者のロイヤリティ向上や新規顧客との接点創出が長年の課題となってきたが、本取り組みではファンコミュニティを起点に、新たな顧客接点モデルの構築を目指している。
技術面では、ノーコードでSBTの発行・管理が可能な「Connect Hub」と、ユーザーがトークンを確認できるウォレット基盤を連携させる。Connect Hubは大阪・関西万博でも活用された実績を持ち、万博期間中および終了後を合わせて累計700万個以上のSBTが発行されるなど、大規模環境での運用性が検証されている。
さらに、将来的にはDAO(※2)的なコミュニティ形成も視野に入れ、ファンの参加や貢献が循環するエコシステムの構築を目指すとしている。
※1 SBT(ソウルバウンドトークン):譲渡できないデジタルトークンで、資格や実績、参加履歴などの記録・証明に使われる。
※2 DAO(分散型自律組織):ブロックチェーン上のルールに基づき、参加者の提案や投票で運営される分散型の組織形態。
SBTが変える保険の顧客接点
本施策は損害保険業界における接点不足という構造課題を打開する契機になり得る。
推し活のような日常的行動と接続することで、単発の契約関係から継続的な関係性へ移行することが期待できるだろう。
さらに、SBTによる参加履歴の蓄積は顧客接点の資産化を促し、防災・減災と結びつけば企業価値向上にも寄与していくと見込まれる。
一方、Web3特有の理解ハードルは依然として高い。
ウォレットやトークンの扱いが直感的でなければ、利用体験の煩雑さが離脱を招く懸念がある。
加えて、行動履歴データの扱いはプライバシーとの境界が曖昧になりやすく、設計次第では信頼低下につながりかねない。
収益貢献の不透明さも短期評価を難しくする要因となりそうだ。
今後は、スポーツ領域の検証を起点に他分野への展開が進む展開も想定できる。
アイドルや地域、会員制度へ応用が広がれば、保険の役割そのものが再定義される可能性もある。
とりわけ、行動データの可視化とインセンティブ設計が結びつけば、保険は契約中心から参加型サービスへと進化していく局面に入るかもしれない。
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