2026年8月19日、福岡県吉富町と米シリコンバレーのLiveFreely社がAI・デジタルヘルス技術を活用した連携協定を締結した。日本国内の行政機関として同社との連携は初となり、AI見守りによる実証実験を開始する。
高齢化率31%の吉富町、AIとウェアラブルの活用事業を開始
福岡県東端に位置する吉富町は、人口6,497人のうち65歳以上が2,037人と高齢化率31.35%に達し、約3人に1人が高齢者という課題を抱えている。こうした状況を受け、同町は高齢者の介護予防や見守り、健康維持を目的としてLiveFreely社との連携協定を締結した。
実証実験の核となる「BUDDY」は、Apple Watchなどのスマートウォッチと連動するAI見守りプラットフォームだ。AIと機械学習を活用し、転倒リスクの予測・検知や歩行分析、服薬管理、位置情報による見守りなどを多角的に行う。
2026年8月19日には住民福祉センター「ひだまり」で協定締結式とデモンストレーションが行われた。地域の高齢者が端末を着用して実証実験に参加し、デジタル技術を地域見守りにどう活かせるかが検証される。本取り組みを通じ、同町は健康長寿のモデル地域を目指す考えだ。
※BUDDY:ウェアラブル端末と連携し、AIが健康状態や生活パターンを継続分析して転倒予測や服薬管理を行う見守りプラットフォーム。
介護現場の負担軽減と課題 先行モデルとしての波及効果と展望
本取り組みは、高齢者自身の自立生活を支援するだけでなく、家族や介護従事者の負担軽減につながる点が期待される。異常発生時の即時通知や転倒リスクの事前検知機能により、事故の防止や早期対応が可能になると見込まれるためだ。さらに、2026年7月に厚生労働省が公表した「U.E.N.O.Plan~攻めの予防医療~」の方向性とも合致しており、データに基づく予防医療を地方自治体から実践する先進事例として評価できる。
一方で、高齢層におけるスマートウォッチの操作習熟や、継続的な装着維持に対するハードルなどの課題も想定される。また、日常的なヘルスデータの収集に伴う個人情報保護とセキュリティの徹底も必須と言える。
今後は、得られたデータを地域ケアの施策にどう反映させるかが重要となる。吉富町が先行事例として成果を示せれば、同様の課題を抱える全国の自治体へデジタルヘルスの導入基盤が広がる可能性がある。
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