国内通信大手KDDIは、子会社menuが運営するフードデリバリーサービス「menu」を9月30日に終了すると発表した。共同運営先の保有株式を取得して完全子会社化した後、利用者や加盟店、配送員への対応を進め、menuを解散・清算する。
menu、9月末で終了し解散・清算へ
KDDIはこれまで、レアゾン・ホールディングスとの共同運営体制でmenuの事業拡大を進めてきた。しかし2026年8月19日の発表によると、フードデリバリー市場を巡る競争環境の変化や今後の事業見通しを総合的に検討し、経営資源を最適に配分する観点からサービス終了を決めたという。
終了に向けては、KDDIがレアゾンの保有するmenu株式をすべて取得する。株式取得は8月31日に完了する予定で、menuを完全子会社化したうえで手続きを一本化する方針だ。
サービスは9月30日に終了し、その後に会社の解散・清算を進める。
menuはフードデリバリーとテイクアウトに対応するアプリを運営してきた。今回の決定に伴い、利用者だけでなく加盟飲食店や配送員にも影響が及ぶため、KDDIは各種対応や必要な手続きを順次進めるとしている。
今回の完全子会社化は事業拡大を目的としたものではなく、終了処理を円滑に進めるための措置である。共同運営体制を解消し、KDDIが責任主体となることで、サービス終了から法人の整理までを一貫して遂行する形になる。
経営資源を再配分、サービス終了後の対応が焦点
menuの終了は、成長市場への参入を続けるだけでなく、採算性や将来性を踏まえて事業を選別する動きの一例と言える。
フードデリバリーは注文者、加盟店、配送員を同時に確保する必要があるため、一定規模を維持するためには継続的な投資が求められるはずだ。競争環境の変化も踏まえ、KDDIはmenuへの追加投資よりも他領域へ経営資源を振り向ける判断をしたのだろう。
そのため同社にとっては、成長が見込める分野へ投資余力を集中できる利点がありそうだ。
一方、サービスを利用していた消費者には選択肢の減少、加盟店には新たな受注経路の確保、配送員には他サービスへの移行といった対応が必要になる可能性がある。
特に重要なのは、9月30日の終了までに、利用中の注文や各種契約、加盟店・配送員との関係をどこまで混乱なく整理できるかだろう。
サービス終了そのものだけでなく、関係者への案内や手続きの透明性が、撤退局面における企業姿勢を評価する材料になりそうだ。
今後、同様に競争が激しく継続投資を要するデジタルサービスでは、利用者数の拡大だけでなく、収益性や事業ポートフォリオ全体での優先順位がより厳しく問われる可能性がある。menuの撤退は、通信大手による周辺サービス展開でも、成長性と資本効率の両立が不可欠であることを示す事例となりそうだ。
KDDI 「フードデリバリーサービス「menu」の提供終了およびmenu株式会社の解散・清算について」
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