法人向けWeb3ソリューションを展開するアツラエが、2026年前半の国内Web3・暗号資産市場をまとめた最新動向レポートを公開した。規制改革や金融・非金融分野の活用事例を30ページ超で整理し、企業の事業戦略や業界調査への活用を促している。
アツラエ、国内Web3市場の最新動向を30ページ超で公開
アツラエが2026年8月18日に公表した「【2026年7月最新】国内Web3市場最新動向レポート」は、2026年前半に国内で起きたWeb3・暗号資産領域の主要な動きをまとめた資料である。
規制動向から具体的な活用事例までを30ページを超える内容で網羅的にカバーしている。
規制面では、7月15日に金融商品取引法・資金決済法改正案が可決・成立したことが取り上げられている。
暗号資産を従来の「決済手段」から「投資商品」へ位置づけ直す動きに加え、日本版CARF(※)の施行、金融庁による「暗号資産・ステーブルコイン課」の新設、外国発行ステーブルコインの「電子決済手段」認定などが整理されている。
金融分野では、Japan Open Chain上で発行する信託型円建てステーブルコイン「EJPY」の発行方針や、大阪でのUSDCによるQRコード決済の実証実験を紹介。
JCB、デジタルガレージ、りそなホールディングスによる実店舗でのステーブルコイン決済実証や、LINE NEXTとJPYCによるWeb3ウォレット「Unifi」でのJPYC採用、3メガバンクによる信託型ステーブルコインの取り組みも掲載している。
非金融分野では、NFTゲームと大手IPのコラボレーション、JR九州によるNFT活用、アイドルとNFTを組み合わせたファンマーケティング、高級品の追跡・真贋証明、東京国立博物館の国宝「伎楽面」のNFT化、富山市のNFTパスポート、GYDAのNFTスタンプなどが取り上げられた。
※日本版CARF:暗号資産などの取引情報を税務当局間で共有するための国際的な報告枠組みに対応した日本の制度。
制度整備は追い風か 実用性と事業価値の見極めが重要に
本レポートから、国内Web3市場の制度整備が進み、事業環境が変化していることが窺える。
特にステーブルコインは金融機関や決済関連企業による取り組みが広がっているため、実証から実用段階へ進展すれば、Web3が金融インフラの一部として定着する可能性もありそうだ。
NFTについても、単発の販売や話題作りではなく、会員証、ロイヤリティ証明、地域との関係人口創出、購買行動の可視化など、具体的な機能を持たせる事例が増えている点は注目に値する。こうした用途が定着すれば、企業にとってWeb3を導入する事業上の合理性はさらに高まると考えられる。
一方で、規制対応やシステム構築には一定のコストが伴うため、すべての企業にとってWeb3が有効とは限らないだろう。NFTやステーブルコインを導入すること自体が目的化すれば、ユーザーに十分な価値を提供できず、継続利用につながらないリスクもある。
今後は、制度整備を追い風として企業の参入が増える一方、実際の利用者にどれだけ明確なメリットを提供できるかが市場成長の焦点になるだろう。
2026年前半に広がった金融・地域・エンターテインメントなどの事例が、継続的なビジネスへ発展するか、引き続き注目したい。
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