国内Web3企業のアツラエは、z game studioと協業し、MARK STYLERが展開するファッションブランド「GYDA」に対してNFT活用型マーケティング基盤「MintMonster」を提供したと発表した。
顧客接点を横断したデータ統合により、エンゲージメントの高度化を図る取り組みである。
NFTスタンプで顧客行動を可視化
2026年4月15日に発表された今回の取り組みは、NFTをデジタルスタンプとして活用し、来店や購買、SNS連携などの顧客行動を一元的に取得・分析する点に特徴がある。
従来はPOSやSNSなど個別に管理されていたデータが、「MintMonster」を介して統合されることで、顧客の行動履歴をより精緻に把握できる構造となる。
GYDAでは2026年4月下旬から施策が開始され、ユーザーは複数のタッチポイントを通じてスタンプを獲得する仕組みが導入される予定だ。
スタンプ保有数に応じたランク制度も設けられ、クーポン配布や限定体験といったインセンティブが提供される。
MARK STYLERのGYDA事業部副事業部長である廣田佑斗氏は協業の意義として、OMO(※)領域におけるデータ分断の課題を挙げた。
SNS分析と購買データが分断されていた点を指摘しており、本施策により顧客行動の連続性が可視化されることへの期待を示している。
※OMO(Online Merges with Offline):オンラインとオフラインの顧客体験を統合するマーケティング手法。データの一元化により顧客理解を深めることを目的とする。
データ統合が拓く新CRMと課題
この施策は、NFTを単なるデジタル特典ではなく、顧客データ統合のハブとして機能させる点で注目に値する。企業側にとっては、購買・来店・SNS行動を横断した分析が可能となり、より精度の高いCRM(顧客関係管理)へと進化する可能性がある。
特にファッション領域では、顧客の嗜好や行動変化をリアルタイムで把握できる点が競争優位性につながると考えられる。
一方で、NFT活用にはいくつかの課題も残る。ユーザーにとってはウォレット管理やデジタル資産への理解が障壁となり得るほか、継続的な参加を促すためには報酬設計の最適化が不可欠となる。
また、データ統合が進むほどプライバシー管理やデータガバナンスの重要性も高まるだろう。
今後は、NFTがロイヤルティプログラムの基盤として定着するかが焦点となりそうだ。単発施策にとどまらず、継続的な顧客体験として設計できるかが、Web3マーケティングの実用性を左右する分岐点になると言える。
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