Amazonが日本での水資源管理の取り組みを公表した。
AWSはデータセンターの冷却で水使用量を抑えながら、千葉県の養老川流域で250ヘクタールの森林再生を進める。
2030年までのウォーターポジティブ達成も目指している。
AWS、冷却効率化と森林再生で水資源を保全
Amazonは2026年9月9日、AWSが日本のデータセンターで冷却に使う水をできる限り削減していると公表した。
大阪リージョンでは冷却に水を使わず、空冷式チラーとフリーエアクーリング(※)のみで運用している。
東京リージョンでも年間約80%を外気冷却とし、水を使うのは夏場の特に高温な時期に限定しているという。
背景には水使用量と電力消費のバランスがある。
水を使わず大型の空冷式チラーを常時稼働させる場合、通常より25~35%多くの電力が必要になる。
そのため、電力網が逼迫する真夏には、限られた期間だけ水を利用する方が総合的な影響は小さいとAWSは判断しているという。
2025年、AWSの日本全体の水使用量は約7億3,900万リットルで、グローバルでは業界平均の7倍以上の水効率を達成したとしている。
同社は2030年までに消費する以上の水を地域社会へ還元する「ウォーターポジティブ」を目標に掲げており、2025年末時点で75%を達成したという。
Amazonは国内での具体策として、千葉県森林組合と養老川上流域の森林再生に取り組む。
対象は250ヘクタールで、間伐によって雨水が土壌へ浸透しやすい環境を整え、完了後は年間1億7,000万リットル以上の水を地域社会へ還元できる見込みだ。
山梨県丹波山村でも2025年から森林保全を進め、年間1億3,000万リットル以上の還元を見込んでいる。
※フリーエアクーリング:外気を取り込み、サーバーの熱を吸収・排出する冷却方式。
AIインフラ拡大と水資源保全の両立が課題に
今回の取り組みのメリットは、データセンターの拡大と環境負荷の低減を同時に追求できる点だろう。
冷却技術で水使用量を抑えたうえで、水源かん養によって地域の水資源を支えるため、単なる節水より広い環境対策として評価できる。
地域社会との関係構築にもつながるだろう。
一方で、デメリットやリスクも発生し得る。
クラウドやAIサービスの需要が増えれば、冷却効率を高めてもデータセンター全体の水・電力需要が拡大する可能性がある。
また、水を削減するために電力消費を増やせば、別の環境負荷が生じるため、水使用量だけで取り組みの成否を判断することは難しいだろう。
今後は、データセンターの立地ごとに水資源、電力、地域環境を一体で管理する発想が重要になると考えられる。
ウォーターポジティブを継続的に達成できれば、AIインフラの拡大と環境保全を両立するモデルとして、他地域にも応用されるかもしれない。
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