2026年8月24日、NECは、生成AIを活用した輸出入統計品目番号(※1)の特定支援サービス「AI税番判定サポート」の機能を大幅にアップデートし、同年8月20日より提供開始したと発表した。
画像解析からDB記録まで5つの新機能を実装し現場の負担軽減
NECは、通関業務(※2)の現場から寄せられた実務的な課題に対応するため、「AI税番判定サポート」に対して5つの重要機能を新たに追加した。2025年6月のサービス開始以降、同システムは多くの企業や通関業者に活用されてきたが、多様な入力形式への対応や処理能力の拡張を求める声が高まっていた経緯がある。
今回実装された機能では、商品の写真やカタログPDFなどのファイルをアップロードするだけで、AIが自動解析して税番を特定する仕組みが実現した。テキスト入力が困難な物品でもスムーズな処理が可能になる。さらに、複数商品の税番判定を同時にまとめて実行する一括処理機能や、特定された税番に対応する関税率を即座に表示する機能が組み込まれた。
加えて、判定結果を各種案件情報と紐付けて記録できるデータベース保存機能や、利用履歴の自動保存機能も搭載された。これにより、社内ナレッジの資産化とデータ分析を通じた業務精度・継続性の向上が期待できる。
輸出入業務の脱属人化を支援 データ蓄積による精度向上に期待
貿易実務における税番判定は高度な専門知識を必要とし、担当者の熟練度に依存しやすい課題が存在していた。誤った品目分類の適用は、関税の過不足や通関の遅延を引き起こすリスクに直結するため、現場では正確性と迅速性の両立が厳しく求められる。今回の機能強化により、入力作業の柔軟性やワンストップでの情報確認が実現し、業務の標準化が一気に加速する見通しである。
一方で、生成AIによる自動判定は業務効率を極めて大きく高める反面、導入時にはAIの回答精度のチェック体制や責任所在の明確化といった課題も生じうる。蓄積されたデータの利活用を通じて判定精度が段階的に高まる設計となっているため、中長期的な運用によって効果が最大化すると判断できる。
NECは本サービスを含む通関プラットフォームを自社の価値創造モデル「BluStellar」のもとで展開しており、最先端テクノロジーを活用した企業のビジネス変革や経営課題解決の取り組みは今後もさらに拡大していく可能性がある。
※1 輸出入統計品目番号:貿易手続きにおいて貨物を分類するために用いられる品目番号。HSコードや関税番号、税番とも呼ばれ、正確な適用が求められる。
※2 通関業務:税関に対して輸出入の申告を行い、必要な検査を経て許可を得る一連の手続きのこと。