2026年8月17日、LINEヤフー株式会社は「Yahoo!ニュース」において、各分野の専門家の知見を活用する新機能「エキスパートAI」の提供を開始した。第一弾として料理研究家の思考を再現するAIが登場している。
専門家の知見を対話型で再現 第一弾「ふらおレシピ」を公開
LINEヤフーは、日本国内で提供する「Yahoo!ニュース」において、各分野で高い専門性を発揮する個人の知見を組み込んだAIエージェント「エキスパートAI」の提供に踏み切った。
同機能は、日常に寄り添い誰でも手軽に扱える同社の対話型AIサービス「Agent i」上で稼働する仕組みとなっている。
約1,600名が参加する「Yahoo!ニュース エキスパート(※)」の発信記事や思考プロセスを参照し、対話を通して直接相談しているかのような新しい課題解決体験を提供するのが狙いだ。
第一弾として、料理研究家「脱サラ料理家ふらお」氏の思考ロジックを反映したAI「ふらおレシピ」が公開された。一般的なAI検索とは異なり、「今日は何も考えたくない」「包丁を使いたくない」といったその日の気分や手元の食材を入力するだけで、専門家の知見に基づいた最適な一皿をピンポイントで絞り込んで提案する。
本人の許諾と監修のもと開発されており、提案時には根拠となるふらお氏の元記事へのリンクが提示されるため、詳しい作り方やコツもシームレスに確認できる。
参画したふらお氏は「していい楽は、積極的にする」という自身のモットーを掲げ、生活者に無理なく寄り添う伴走者としてのAI活用に期待を寄せた。対話を通じて一品へと絞り込む独自の設計が、毎日の献立選びにおける比較検討の負担軽減を実現する。
※Yahoo!ニュース エキスパート:各分野で豊富な専門性や経験を持つエキスパートが自らの意思と判断に基づきコンテンツを制作・発信するサービス。2026年8月時点で約1,600名が参加している。
選択疲れを払拭する「決断代行」 信頼性と波及効果の先にある展望
今回始動した「エキスパートAI」の真価は、膨大な情報の中からユーザー自身に選ばせるのではなく、最適な解を1つ提示する「決断の代行」という思想にある。従来型の生成AI検索では複数の候補や曖昧な選択肢が示され、最終的な決定コストがユーザー側に残される問題が少なくなかった。
それに対し、専門家特有の「引き算」の思考プロセスをアルゴリズムに落とし込み、迷いを排除する設計は、タイムパフォーマンスや精神的ゆとりを求める現代のビジネスマンにとって非常に価値の高いソリューションと言える。
さらに、クリエイターの権利保護とAI活用の両立という観点でも大きな優位性を持つ。専門家本人の許諾と監修を経た著作物のみを参照基盤とし、回答から一次情報記事へと直接誘導する設計により、ハルシネーション(誤情報)のリスクを抑えつつ専門家の成果物へ還流する健全なエコシステムが構築されると期待できる。
今後は料理にとどまらず、医療、金融、キャリア選択といった領域へ展開される可能性がある。専門家の知見が対話型AIとしてモジュール化されることで、個人の意思決定支援が高度化し、専門家マーケティングのあり方も一変するだろう。
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