2026年9月28日、四国旅客鉄道(JR四国)と株式会社findは、落とし物管理クラウドサービス「落とし物クラウド find」の運用を同年10月1日より開始すると発表した。四国エリアでの同サービスの導入は初となる。
JR四国がAI管理サービスを導入 チャット連携や横断検索を開始
JR四国では年間約40,000個のお忘れ物が発生している。従来は管理システム内に画像データが存在しなかったため、利用者からの問い合せに対して現物の特徴を電話や対面で詳細に確認し照合を行っており、多大な時間を要していた。また、窓口や対応時間が限られていることも利用者の利便性を阻害する要因となっていた。
今回導入される「落とし物クラウド find」は、AIを活用した画像登録および検索機能によって照合時間の大幅な短縮を見込むサービスである。あわせてスタートする専用チャット「find chat」により、利用者はアプリのインストール不要で、ブラウザ上から24時間いつでも問い合わせが可能となる。対応言語も日本語、英語、中国語(簡体)、韓国語をカバーする。
さらに、findが2025年12月より開始している「横断検索(※)」にも参画する。これにより、複数の交通事業者や商業施設をまたがって移動した利用者が、一括して忘れ物を照会できる環境が整うことになる。
※横断検索:複数の交通事業者や商業施設などが管理する遺失物情報を一元化し、1度のチャット問い合わせでまとめて対象施設を照会・検索できる仕組み。
問い合わせDXの波及効果と課題 返却率向上と安全運用の両立へ
AIによる画像検索や多言語チャットの導入は、利用者にとって「探す負担」を大幅に減らす一手になり得る。特に複数施設をまたぐ移動時の確認作業が効率化され、発見から返却までのスピード向上や返却率の改善につながる利点は大きいと考えられる。
事業者側にとっても、現物照合や電話対応の工数が抑えられることで、現場の業務負荷軽減に大きく寄与すると期待される。 一方で、運用上のリスクや懸念事項も指摘できる。複数の事業者が参加する横断検索では、各社のデータ入力精度やオペレーターの対応品質にばらつきが生じた場合、検索漏れや回答遅延につながるおそれがある。
また、個人の持ち物情報をデジタル上で扱うため、不正な問い合わせや誤返却を防ぐセキュリティ対策、個人情報保護の徹底が強く求められると言える。 今後は他エリアの鉄道会社や商業施設への導入がさらに進み、全国的な落とし物ネットワークへ発展する可能性がある。
AIを用いた遺失物管理の高度化は、インバウンド対応を含む交通インフラ全体の利便性を高める重要施策として普及していくと推測される。
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