国内暗号資産交換業者のbitFlyerが、ビットコイン(BTC)から新たな暗号資産「eCash(ECX)」を分岐させるハードフォーク計画への対応方針を発表した。現時点ではBTCの売買・受取・送付を継続する一方、ECXの付与は未定としている。
bitFlyer、ECX付与は未定 BTCの送受信停止も視野
Bitcoinでは現在、ブロックチェーンから新たな暗号資産「eCash(ECX)」を分岐させるハードフォークが計画されており、2026年8月下旬から実施される予定である。
bitFlyerは、ハードフォークが実施された場合、BTCとは別のブロックチェーンおよび暗号資産としてECXが発生する可能性があるとし、ECXの技術仕様やネットワークの安定性、リプレイ攻撃(※1)などのリスク、顧客資産への影響を確認していると2026年8月10日に発表した。
ECXを同社で取り扱うか、顧客へ付与するかは未定だという。
現時点ではBTCの売買、受取、送付はいずれも通常どおり利用できる。
ただし、ECXではBTCと同一のアドレス形式が使用され、リプレイプロテクションが任意となる予定であることから、顧客資産の保全を目的に、BTCの受取・送付など、一部サービスを制限または一時停止する場合があるという。
なお、Bitcoinでは「BIP-110」をめぐる動きも進行している。
BIP-110は既存ネットワークとの互換性を保つソフトフォーク(※2)に関する提案であり、ECXのハードフォークとは目的も仕組みも異なる。
bitFlyerは両者を区別したうえで、ネットワークやサービスへの影響を継続して確認するとしている。
※1 リプレイ攻撃:ブロックチェーン分岐後、一方のチェーンで行った取引が別のチェーンでも再実行されるリスク。
※2 ソフトフォーク:従来のネットワークとの互換性を維持しながら仕様を変更する方式。
資産保全を優先する慎重対応、市場の信頼獲得が鍵か
今回の対応は、ハードフォークによる新規資産の獲得よりも、既存のBTC保有者の資産保全を優先した判断と評価できる。ECXの技術仕様やネットワークの安定性が十分に確認されない段階で取扱いや付与を決めれば、利用者に予期せぬリスクを負わせる可能性があるためだ。
特にBTCとECXで同一のアドレス形式が使用され、リプレイプロテクションも任意となる予定である点は、交換業者にとって重要なリスク要因となる。BTCの送受信を一時停止すれば利用者の利便性は低下するものの、安全性を優先する観点からは理解できる対応だ。
短期的にはサービス制限への不満が生じる可能性もあるが、資産保護を徹底することは長期的な信頼維持につながるだろう。
一方、ECXの取扱いや付与が実現すれば、BTC保有者に新たな暗号資産を受け取る機会が生まれる可能性がある。ハードフォークをめぐる対応は交換業者ごとに異なるため、今後は各社の方針が利用者のサービス選択にも影響すると考えられる。
今後、ECXの技術的な安全性やBitcoinネットワークへの影響を見極めながら、bitFlyerがどのような最終判断を示すかにも注目したい。
bitFlyer ビットコイン( BTC )のハードフォーク計画等に関するお知らせ
関連記事:
bitFlyerが法人向け暗号資産サービス発表 大口取引から保管・統制まで一体支援へ

bitFlyerがソラナ取扱いを開始 国内投資家に高速ブロックチェーンへの選択肢広がる

bitFlyer、ビットコイン貸出で年利最大2.20% 第4回定期貸しコインサービスの受付開始
