デジタル庁は警察庁など6省庁と合同で、GoogleやMeta、XなどSNS等を提供する大規模事業者5社に対し、なりすまし詐欺広告への対策強化を要請した。
ディープフェイクを悪用した投資詐欺などの被害拡大を受けた対応である。
大手5社になりすまし広告対策を要請
2026年8月7日、デジタル庁は警察庁、金融庁、消費者庁、総務省、法務省、経済産業省と合同で、SNS等におけるなりすまし詐欺広告への対策強化を文書で要請した。
対象はGoogle LLC、LINEヤフー、Meta Platforms、TikTok、X Corp.の5社で、プラットフォーム事業者による自主的な取り組みのさらなる強化を求めている。
背景には、SNSなどの交流型プラットフォームで、著名人の肖像や音声を無断利用したなりすまし詐欺広告が広く流通している状況がある。
なかでもディープフェイク(※)を使った広告が投資詐欺などへの入り口となり、消費者や利用者に財産上の被害をもたらすケースが問題視されている。
本人が関与していない広告によって、なりすまされた著名人などの社会的信頼が損なわれるおそれもあり、関係省庁は消費者・利用者保護の観点から対策を進めている。
※ディープフェイク:AI技術を使って人物の顔や声などを合成・加工し、本物のように見える偽の画像・動画・音声を作り出す技術。なりすましや詐欺、偽情報の拡散などに悪用されるおそれがある。
広告審査強化に期待、誤判定や運用負担が課題
今回の合同要請を受け、各プラットフォームで広告審査や不正広告の検知体制が強化されれば、詐欺広告が利用者に届く前に排除できる可能性が高まる。
特にディープフェイクによる映像や音声の見分けが難しくなるなか、事業者側の監視強化は被害抑止に一定の効果を持つと考えられる。
一方、審査を厳格化するほど、正当な広告まで誤って制限するリスクや、事業者の運用コスト増加も想定できる。
表現の自由や広告主の利便性を損なわず、不正広告だけを高精度に排除できる仕組みづくりが課題になるだろう。
今後は、各社が自主的な対策をどこまで具体化し、実際の被害減少につなげられるかが焦点となりそうだ。
行政とプラットフォーム事業者が情報共有や検知技術の高度化を継続できれば、SNS広告市場全体の信頼性向上にもつながる可能性がある。
デジタル庁 「SNS等におけるなりすまし詐欺広告に関する対策強化のための7府省庁合同要請の実施」
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