サスメドは、ブロックチェーン技術を活用した臨床試験システム「SUSMED SDS」を用いた治験結果に基づき、医薬品の製造販売承認が取得されたと発表した。
同社調べでは企業治験での承認取得は世界初となる。
ブロックチェーン治験が初の承認事例に
サスメドは2026年9月16日、同社の「SUSMED SourceDataSync(SUSMED SDS)」を用いて実施された治験の結果に基づき、医薬品の製造販売承認が取得されたと発表した。
PubMedやClinicalTrials.gov、EU Clinical Trials Registerなどを用いた同社調査では、ブロックチェーン技術を活用した企業治験から医薬品承認に至った事例は世界初としている。
SUSMED SDSは、医療機関で取得した医療データと症例報告書データをブロックチェーンで結び、医療機関でのデータ入力や法規制上必要なモニタリング業務を削減するシステムだ。
規制のサンドボックス制度による実証を経て、2020年12月にはブロックチェーンを利用したデータ照合作業の代替がGCP省令(※)上認められる旨が厚生労働省から示された。
AMEDの研究では、従来の治験フローとSUSMED SDSを用いた場合を比較した結果、モニタリング工数が45.9%、医療機関の工数が32.0%、データ確認や修正依頼などのクエリ数が46.7%減少した。
また、2022年発行のGAMP5 2nd Editionでも、データの信頼性向上に活用できる技術としてブロックチェーンが掲載されている。
同社はSUSMED SDSを医薬品だけでなく、医療機器や再生医療等製品の企業治験、治療用アプリの特定臨床研究、医師主導治験などにも導入している。
さらに、製造販売後データベース調査への活用を想定した疾患レジストリにも採用が進んでおり、臨床試験から製造販売後まで対象領域を広げている。
※GCP省令:医薬品の臨床試験を適正に実施するための基準。被験者保護やデータの信頼性確保などを目的とし、治験の計画、実施、記録、モニタリングなどに関するルールを定めている。
治験効率化が国内創薬を変える可能性
今回の事例は、ブロックチェーンが単なる実証技術ではなく、医薬品承認につながる治験基盤として実運用された点に意味がある。
治験に伴う入力や確認作業を減らせれば、製薬企業と医療機関双方の人的負担を抑え、臨床開発コストの削減につながる可能性がある。
特に、研究開発費の高騰や治験要件の複雑化が進む中、国内治験の負担を軽減できれば、ドラッグ・ラグ/ロス対策を支える一要素になり得る。
さらに、試験設計の段階からデータ品質を確保する取り組みと組み合わせることで、新薬開発の生産性と品質を同時に高める余地もある。
一方で、今回の1事例だけで幅広い治験に同様の効果が得られるとは限らない。
対象疾患や試験規模、医療機関のシステム環境によって効率化の度合いが異なる可能性があり、導入コストや既存業務との連携も課題となる。
今後は、医薬品以外を含む多様な臨床試験で実績が蓄積され、工数削減とデータ信頼性の両立が再現できるかが重要になる。
実用例が増えれば、ブロックチェーンを基盤とした治験エコシステムが国内の創薬競争力を支える仕組みへ発展する可能性がある。
サスメド株式会社 世界初、ブロックチェーン技術を活用した臨床試験システムを用いた治験の結果に基づき医薬品の製造販売承認を取得
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