2026年7月23日、ラクスルは、中小企業300人を対象としたAI活用実態調査の第2回結果を公表した。AIを積極的に利用する層でも67.7%が「使いこなせていない」と回答しており、AI導入の拡大だけでなく、実務で成果につなげるための支援体制が課題となっていることが明らかになった。
AI活用は個人効率化にとどまり、独学が中心
調査によると、AIを活用して生産性や業務効率が向上したと回答した人の54.9%は、「情報収集や文書作成などの日常業務が速くなった」と回答した。一方、「業務フロー全体が変わった」と答えた割合は1.9%にとどまり、多くの中小企業ではAI活用が個人レベルの業務効率化にとどまっている実態が明らかになった。
背景には、AIを実務へ落とし込むための知識やノウハウ不足があるとみられる。積極的な利用者でも67.7%が「使いこなせていない」と感じており、87.3%は思うような結果を得られなかった経験があると回答した。課題としては「思った通りの回答が得られない」「プロンプトの作り方が分からない」などが上位を占めている。
また、AIの習得方法は「実際に使いながら覚えた」が35.9%で最多となり、「書籍・ネット記事」「YouTube・SNS」による自己学習が続いた。さらに、AI活用に必要な支援としては「すぐ使えるテンプレート集」が31.0%、「個別サポート・相談窓口」が25.3%、「同業者の活用事例集」が23.0%となり、具体的な活用方法を求めるニーズが浮き彫りとなっている。
AI活用の成否は「導入後の定着」が鍵に
今回の調査結果からは、中小企業のAI活用が「導入するか」だけでなく、「どう使いこなすか」という段階へ移りつつあることが示唆される。生成AIサービスは急速に普及しているものの、現場ではノウハウ不足により十分な成果へ結び付けられていない企業も少なくないと考えられる。
一方で、テンプレートや活用事例、個別相談への需要が高いことは、実践的な支援が整えばAI活用がさらに広がる可能性を示している。業務ごとの成功パターンを共有し、人材育成まで含めた伴走支援が普及すれば、個人の業務効率化にとどまらず、業務プロセス全体の改善や生産性向上へ発展することも期待できる。
ただし、テンプレートをそのまま利用するだけでは、自社業務に適した運用や情報管理がおろそかになる恐れもある。今後はAI機能を提供する企業だけでなく、教育や運用ルールの整備まで含めた支援体制を構築できるかが競争力を左右する要素の一つになる可能性がある。また、中小企業におけるAI活用も、「導入率」から「成果創出」へと評価軸が移っていくことが予想される。
関連記事: