2026年8月24日、国内の日鉄興和不動産とJDSCは、スイスのLoki Robotics社製フィジカルAI清掃ロボット「Loki」の国内実証を開始した。オフィスビルの水回り清掃に実際に投入し、日本の施設環境への適合性や運用方法を検証する。ソフトバンクロボティクスも参画し、次世代スマートビル運営の実現を目指す。
国内初、AI清掃ロボをオフィスで実証
オフィスビルなどの商業不動産では、BM(ビルメンテナンス)業務を担う人材不足が深刻化している。なかでもトイレなど水回りの清掃は作業負荷が高く、自動化へのニーズが強まっている。
海外では水圧式の清掃ロボットなどの導入が進む一方、日本のビル環境や清掃品質に対応できる製品は限られる。そこで3社は、フィジカルAIを活用して自律的に水回りを清掃する「Loki」を日鉄興和不動産の自社オフィスビルで稼働させ、国内のオフィスビルとして初めて実証を始めた。
第一フェーズでは、トイレ仕様や施設環境への適合性に加え、稼働スケジュール、異常対応、人とロボットの役割分担、遠隔運用体制まで検証する。日鉄興和不動産が実証フィールドを提供し、JDSCが実証・運用設計を主導、ソフトバンクロボティクスがロボット調達や遠隔オペレーションを担う体制だ。
実用化モデル確立へ、運用面が鍵に
実証で得られる成果は、単なる清掃作業の自動化にとどまらない可能性がある。ロボットが安定して稼働するための運用ノウハウやデータを蓄積できれば、日鉄興和不動産の他物件や国内の商業施設への横展開も検討される見通しだ。
将来的には、フィジカルAIとAIエージェントを組み合わせ、清掃計画や異常対応、作業指示までを高度化・自動化する構想も視野に入る。人手不足が続くBM業務において、生産性向上と作業負担の軽減につながることが期待される。
一方、実用化には日本特有の施設仕様への対応や、清掃品質の安定、故障・異常時の対応体制などを確立する必要がある。
今回の実証は、清掃ロボットを導入するだけでなく、人とAIロボットが継続的に協働する運用モデルを構築できるかを問う取り組みとなりそうだ。