AI教育・実装支援を手がけるTERRAISEは、米DeNA America. Inc.と日本市場におけるパートナーシップを締結したと発表した。
採用から人的資本経営までを支えるAI HRソリューション群を国内企業へ提供する。
AI HR基盤を日本企業へ展開
TERRAISEは、2026年5月30日に発表した契約により、DeNA America.のチャネルパートナーとなった。
今後、同社はグローバルに展開するAI HRエコシステムを日本企業に提案し、導入支援までを担う。
対象となるのは、候補者ソーシング、面接運用、グローバル雇用・労務、人的資本分析、人材管理など、人事業務の幅広い領域である。
国内では生成AIの業務導入が進む一方、採用や人材管理などの人事領域では、本格的なAI実装がこれから広がる段階にある。
海外発のAI HRソリューションは英語UIや海外の業務モデルを前提とするものも多く、日本企業がそのまま導入するには運用面のハードルが残る。
TERRAISEは、AI研修「AX Academy」やAI導入コンサルティング「AX Compass」を通じて、企業の生成AI活用を支援してきた。
今回の提携を機に、研修・コンサルティングに続く事業領域として、AIプロダクトの導入支援を強化する。
今回展開するAI HRエコシステムには、潜在候補者へのアプローチを支援する採用ソリューション、面接調整を自動化するスケジューリング機能、海外人材の雇用契約や給与計算を支えるEOR(※)関連サービスなどが含まれる。
さらに、人事データを可視化し、離職リスクや組織パフォーマンスを分析する人的資本経営向けの機能も提供される。
※EOR:Employer of Recordの略。海外に現地法人を持たない企業に代わり、現地での雇用契約、給与支払い、労務管理などを担う仕組み。
人事AIの実装には運用設計が鍵に
今回の提携のメリットは、日本企業の人事業務におけるAI活用を、より実務に近い形で進められる点にあるとみられる。
採用候補者の発掘や面接調整、人事データ分析は、担当者の負担が大きい領域だ。
AIを活用すれば、定型業務の効率化に加え、候補者体験の改善や、データに基づく戦略人事への移行を後押しする可能性がある。
一方で、人事領域へのAI導入には慎重な運用も求められるだろう。
採用や評価は個人のキャリアに大きく関わるため、AIの判断根拠やデータの偏り、個人情報の管理には十分な配慮が欠かせない。
海外製ソリューションを日本企業に導入する場合、法制度や雇用慣行の違いに合わせた調整も課題になりそうだ。
今後は、TERRAISEが日本企業の現場に合わせ、運用設計や社内教育をどこまで支援できるかが焦点となりそうだ。
AI HRを人事担当者が使いこなし、経営判断に活用できる状態まで定着すれば、日本企業の人的資本経営を支える取り組みとして広がる可能性がある。
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