米半導体大手NVIDIAは2026年5月20日、2027年度第1四半期決算を発表した。
AI需要拡大を背景に、売上高は前年同期比85%増の816億1500万ドル、純利益は同211%増の583億2100万ドルとなり、過去最高を更新した。
特にデータセンター事業が成長をけん引し、AI基盤整備需要の拡大が鮮明になっている。
AI需要で売上・純利益が最高更新
2026年5月20日、NVIDIAが発表した2027年度第1四半期決算は、売上高が前年同期比85%増の816億1500万ドル、純利益が同211%増の583億2100万ドルとなった。
いずれも四半期として過去最高であり、AI半導体需要の拡大が同社の成長を強く押し上げた形である。
業績をけん引したのは、データセンター向け事業だ。同部門の売上高は前年同期比92%増の752億ドルに達した。
同社はデータセンター事業を、パブリッククラウドや大手インターネット企業、AIクラウド、産業、エンタープライズ向けに分類しており、AIインフラ需要の広がりがうかがえる。
データセンターコンピューティングの売上高は604億ドル、ネットワーキングは148億ドルとなり、AI基盤の構築がGPU単体にとどまらず、周辺インフラ全体へ広がっている。
ジェンセン・フアンCEOは、AIファクトリー(※)の構築が驚異的なスピードで加速していると説明した。
さらに、エージェント型AIが生産的な作業を行い、企業や業界全体で急速に拡大しているとの認識を示している。
同社は2027年度第2四半期の売上高について、910億ドル前後を見込む。
加えて、取締役会は800億ドルの追加自社株買い枠を承認し、四半期配当を1株当たり0.01ドルから0.25ドルへ引き上げる方針も示した。
※AIファクトリー:AIの学習や推論を大規模に処理し、生成結果や判断結果を継続的に生み出す計算基盤。GPU、ネットワーク、ストレージ、ソフトウェアなどを組み合わせたAI向けインフラを指す。
AI基盤整備が企業競争力を左右する時代へ
今回評価できる点は、AI投資が実証段階から社会実装を支える基盤整備へ移行し始めた可能性を示したことである。
生成AI導入ではこれまでモデル性能が中心だったが、GPUやネットワーク、ストレージを含むAI基盤全体への投資が拡大しているとみられる。
今後はAIファクトリー整備が進み、半導体以外の周辺インフラ市場にも成長余地が広がる可能性がある。
一方で、AIインフラ需要の拡大は特定企業への依存度上昇を招く懸念も残る。
GPU供給が一部企業へ集中すれば、価格上昇や調達制約が企業活動へ影響する可能性がある。
また、地政学リスクや輸出規制に加え、AI投資が先行した場合には収益化が追いつかず、過剰設備化へつながる展開も考えられる。
今後はAI競争の焦点がモデル開発からインフラ確保能力へ広がるのではないだろうか。
AIエージェントや推論利用が拡大するほど、継続的な計算資源の確保が重要性を増すとみられる。
その結果、GPU単体ではなく、データセンター、電力、冷却設備、通信網まで含めた総合的なAI基盤整備競争が加速する可能性がある。
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