NTTドコモと三菱地所は、東京都千代田区の大手町・丸の内・有楽町エリアで、高品質な5G通信環境を基盤とする次世代スマートシティの共同構築に合意した。
ミリ波などの先進技術と都市インフラを組み合わせ、通信品質向上と新たなデジタルサービスの創出をめざす。
丸の内にミリ波活用の5G基盤を構築
2026年8月24日、NTTドコモと三菱地所は、大手町・丸の内・有楽町エリアで、ミリ波(※1)をはじめとする先進技術を活用した5G通信環境を基盤に、次世代スマートシティを共同構築する取り組みを開始することで合意した。
今回の取り組みでは、通信量が集中する丸の内エリアに、ドコモの最新基地局装置と三菱地所の不動産アセット、インフラ基盤確保のノウハウを組み合わせた「クラスタ」を構築する。
都市景観に配慮しながら、ミリ波の電波特性に適したアンテナ配置を進め、エリア全体の通信環境向上を図る。
ドコモは、26GHz帯と既存の28GHz帯を合わせた計800MHz幅のミリ波帯域に加え、3.5GHz帯、3.7GHz帯、4.5GHz帯を組み合わせる「Tri-Band Massive MIMO」やガラスアンテナなどを活用する方針だ。
三菱地所は、保有ビルなどの不動産アセットを生かし、景観に配慮したアンテナ・基地局装置の設置や新装置の開発を進める。
さらに両社は、今回確立する都市型アンテナソリューションや都市インフラ活用のノウハウをモデルケースとして、三菱地所の5Gインフラシェア事業も活用し、全国主要都市中心部へクラスタを順次展開する予定だ。
将来的には、APN技術(※2)による有線通信環境の構築も視野に入れている。
※1 ミリ波:5Gで利用される高周波数帯の電波。高速・大容量通信に適する一方、直進性が強く、遮蔽物の影響を受けやすい。
※2 APN(All-Photonics Network)技術:通信データを電気信号へ変換せず、光のまま伝送することで、低遅延・大容量・低消費電力を実現する技術。
都市通信高度化のモデルへ、全国展開に期待
丸の内で高度な通信基盤を整備できれば、就業者や来街者の通信環境向上に加え、大容量通信を前提とした新たなデジタルサービスを展開しやすくなるだろう。
高密度なオフィス・商業エリアで通信技術と都市開発を一体化する今回の試みは、スマートシティの基盤整備を具体化するモデルケースになり得る。
一方で、ミリ波はアンテナ配置が通信品質を左右しやすく、都市景観との両立が課題となりそうだ。
既存アセットを活用して整備を効率化できる反面、エリアごとの建物配置や人流、設備条件に応じて最適な設計を検証する必要があり、他都市への展開では丸の内と同じ手法をそのまま適用できるとは限らない。
丸の内のような高密度な都市空間で有効な整備手法を確立できれば、通信量の多い他の都市中心部における5G高度化の参考例となる可能性がある。
さらに、両社が計画する全国主要都市へのクラスタ展開が進めば、通信インフラと都市開発を一体的に整備する手法が広がる契機となりそうだ。
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