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KDDIとJR東日本が山手線車内の5Gミリ波実証に成功 通信エリアを約97%へ拡大

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KDDIとJR東日本は、山手線車両内で5Gミリ波の通信エリアを拡大する実証に成功したと発表した。屋外基地局のミリ波を車内へ引き込み、増幅して再放射する国内初の取り組みである。

山手線車内の5Gミリ波化に成功

2026年5月20日、KDDIとJR東日本は、2026年4月15日までに、JR東日本の東京総合車両センターで山手線車両内の5Gミリ波エリアを拡大する実証に成功したと発表した。
実証期間は2026年3月3日から4月15日までで、評価対象は通信速度1Gbpsを達成可能な通信エリアである。

今回の実証では、線路沿線のミリ波基地局から放射された電波を、車両の窓に設置したミリ波対応ガラスアンテナで受信した。
受信した電波はアンプで増幅され、誘電体導波路を通じて車内へ伝送される。
その後、漏洩アンテナとロッドアンテナを使い、車両内の必要な位置から再放射する構成が採用された。

5Gのミリ波は、28GHz帯の広い帯域幅を活用することで高速・大容量通信を実現できる。
一方で、直進性が強く、遮蔽物の影響を受けやすい。
鉄道車両は金属が多いため、既設のミリ波基地局や中継器だけでは車内のエリア化が難しい場所とされてきた。

実証の結果、通信速度1Gbpsを達成可能な通信エリアは、車両全体の約40%から約97%へ改善した。
車両の金属による電波の減衰で離散的だったエリアが、車内のほぼ全域に広がったことを確認した形だ。
実証にはAGC、日本電業工作、京セラも協力し、各社がガラスアンテナ、誘電体導波路、アンプなどの技術を提供した。

鉄道通信DXの実装が近づく

今回の実証は、鉄道車両という通信環境の難しい空間で、ミリ波を実用的に活用する道筋を示した点に意義がある。
屋外や駅構内だけでなく、車内まで高速通信エリアを広げられれば、乗客向けの通信品質向上に加え、鉄道業務のDXにもつながる可能性がある。

メリットは、車内で大容量通信を安定して使える環境を整えやすくなる点だ。
混雑時の動画視聴、業務用端末の通信、車両内データの送受信など、通信需要が高まる場面で効果を発揮しやすい。
特に、基地局からの電波をそのまま受けるのではなく、車内で増幅・再放射する構成は、遮蔽の弱点を補う現実的な手段になりうる。

一方で、実用化には設置コスト、保守性、車両設計との整合性が課題となり得る。
ガラスアンテナは景観や内装を損ないにくい特徴を持つが、実際の営業車両へ広く導入するには、耐久性や安全性、運行への影響も検証する必要があるだろう。
さらに、車両全体へ展開する場合、路線ごとの基地局整備や車両改修との連携も欠かせない。

それでも、金属による遮蔽というミリ波活用の大きな壁を越えた意味は大きい。
今回得られた知見が鉄道車両だけでなく、工場、商業施設、地下空間などへ応用されれば、ミリ波の活用範囲はさらに広がると考えられる。
高速通信を前提にした移動空間づくりが、次の通信インフラ競争の焦点になると言える。

KDDI株式会社 ニュースリリース

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