KLabはスマートホーム開発を手掛けるHOMMAと、UAE・ドバイに合弁会社を設立すると発表した。
AIを住宅設計段階から組み込み、高級住宅やホテル、リゾート向けの設計・販売・施工管理を展開する。
UAEでAIスマートホーム事業を展開
KLabとHOMMAは2026年7月16日、同月中にドバイで合弁会社「KLab HOMMA Living Innovation Middle East」を設立する予定だと発表した。
資本金は10万UAEディルハム(約400万円)で、KLabが51%、HOMMAが49%を出資する。
代表者は原田隆介氏で、スマートホームシステムの設計・販売、施工管理、関連部材の輸入・供給を担う。
中核となるのは、HOMMAが開発した高級物件向け住宅統合システム「Built-in Intelligence」である。
市販のIoT機器を後付けする方式ではなく、天井埋込型センサーやエッジコンピューティング(※)、AIを設計段階から住宅へ組み込み、照明や空調などを生活習慣に応じて自律制御する。
KH Livingは、KLabの現地ネットワークとHOMMAの技術を組み合わせ、高級住宅に加えてホテルやリゾート開発も対象とする。
著名な建築・内装デザイナーの起用や、壁全面の大型LEDディスプレイを活用した空間演出も構想に含まれている。
世界のスマートホーム市場は2025年の1475億ドルから、2032年には6332億ドルへ拡大すると予測されている。
UAEでは新築前に販売されるオフプラン物件が住宅取引件数の約6割を占めており、設備を建築時に組み込むビルトイン型を展開しやすい環境にある。
※エッジコンピューティング:データを遠隔のクラウドだけで処理せず、住宅内や機器の近くで解析する仕組み。通信遅延を抑え、応答速度やプライバシー保護の向上につながる。
高級住宅の標準設備となるかが焦点
今回の合弁会社設立は、スマートホームを単独機器の集合から、住宅全体を統合するサービスへ転換する試みと言える。
設計初期からセンサーやAIを組み込めば、機器同士の連携を高めやすく、住人が細かな操作をしなくても生活環境を最適化できる可能性がある。
特に、新築物件が多く、富裕層の流入が続くドバイは、高価格帯の先進設備を導入しやすい市場と考えられる。
照明や空調だけでなく、見守り、転倒検知、セキュリティまで統合できれば、利便性と安全性を付加価値として訴求しやすくなるだろう。
一方、ビルトイン型は後付け製品よりも設計や施工の調整範囲が広いため、建築会社やデザイナー、設備事業者との連携が欠かせないはずだ。
導入後の保守、システム更新、個人データの管理まで一体で設計できなければ、高級住宅に求められる信頼性を維持するのは難しいだろう。
今後は、実際の住宅やホテルで導入事例を積み上げ、快適性や省エネ、安全性といった効果を示せるかが重要になりそうだ。
UAEで事業モデルを確立できれば、ビルトイン型AI住宅を中東の高級不動産市場へ広げる足掛かりとなる可能性がある。
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