2026年7月20日、AIスタイリングアプリを展開するESTaidは、韓国発ヘアサロンの日本法人JUNO HAIR JAPANと業務提携の基本合意書を締結した。渋谷店にて約3ヶ月間のパイロットプログラムを開始する。
施術前の画像生成で失敗を防ぐ オンラインと店舗を繋ぐ新たな挑戦

ESTaid(イーストエイド)が提供する「mevu(ミーブ)」は、AI技術を用いて多様なヘアスタイルや雰囲気を事前に体験できるプロフィール・スタイリングアプリだ。今回の提携により、ユーザーは来店前に「Kヘアスタイル」の仕上がりイメージを生成し、実際のサロンワークへとスムーズに接続する導線が構築される。
美容業界では長年、顧客の求めるスタイルと施術後の仕上がりにおける認識のずれが課題視されてきた。提示された写真と個人の骨格や髪質の相違によって生じるミスマッチを、精度の高いAI画像処理によって解決しようとする取り組みである。顧客は自身の顔写真をもとに客観的なシミュレーションを行えるため、施術に対する納得感の向上が見込まれる。
第一弾として実施されるJUNO HAIR JAPAN渋谷店での実証実験では、集客企画やプロモーションも共同で推進される方針だ。オンラインのシミュレーション体験からオフラインの店舗来店へと誘引する「O2O」の成功モデルとなるか、業界内でも期待が高まる。
サロン体験のデジタル化がもたらす効果と課題 パーソナライズの波が拡大
AI技術とリアル店舗の融合は、カウンセリングの効率化と接客の満足度向上をもたらす公算が大きい。スタイリストは顧客の具体的な希望イメージを事前に共有できるため、施術前の意思疎通にかかる時間を短縮しつつ、精度の高い提案を行えるようになる。こうしたパーソナライズ体験の提供は、Z世代を中心としたK-Beauty層の顧客エンゲージメントを一段と強固にするはずだ。
一方で、生成されたAI画像の再現性には技術的な難しさが残ることも否定できない。顧客の実際の髪質、ダメージ状態、頭の形によっては、画面上のシミュレーションと全く同じ仕上がりを再現できないケースが想定される。AIによる理想の提示と現実の施術結果に乖離が生じた場合、かえって満足度を低下させるという懸念も存在する。
実証実験を通じてサービスの完成度を高め、対象店舗を拡大していく戦略は理にかなっている。AIスタイリングが美容業界の新たな標準として定着するかどうかは、現場での実運用とアルゴリズムの調整力にかかっていると言える。