2026年7月1日、株式会社メディカルアンドテクノロジーズが、スマートフォンとAIを活用した医療業務支援プラットフォーム「kotomos(コトモス)」のパイロット提供を国内の医療機関向けに開始した。
医療現場の情報を一元化 人手不足と「デジタル疲れ」をスマホとAIで解消
株式会社メディカルアンドテクノロジーズは、日本の医療現場が抱える構造的な課題を解決するための新サービス「kotomos」の展開に乗り出した。
同システムは、チャットやビデオ通話といったリアルタイムのコミュニケーションをはじめ、患者情報、カレンダー、さらには受信FAXの閲覧・送信までをひとつのプラットフォームに集約する。
背景には、2024年4月から適用された「医師の働き方改革(※)」による、限られた人員での効率的な現場運営への強いニーズが存在する。
現在の医療機関では電子カルテや紙、内線電話などが併存し、情報検索や転記作業に伴う「デジタル疲れ」が深刻化していた。
kotomosは、PC中心だった従来のITツールとは異なり、移動の多い医療従事者の働き方に最適化されたモバイルファーストの環境を提示する。
さらに、医学文献をもとに出典付きで疑問に答える「臨床支援AI」や、院内マニュアルを自然言語で検索できる「院内ナレッジAI」などの先進的な機能を搭載している。
これらは、多忙を極める現場での迅速な臨床判断や業務効率化を強力にアシストする仕組みとして機能する。
※医師の働き方改革:2024年4月から施行された、医師の時間外労働に対して上限規制を設ける法改正。医療の質や安全性を維持しながら、医療従事者の健康を保護し、過重労働を解消することを目的とする。
チーム医療の最適化へ期待高まる一方 既存システムとの連携やセキュリティが鍵
今回のプラットフォームの導入により、職種や施設の垣根を越えたタイムリーな情報共有が実現し、地域連携や退院支援がよりスムーズに進むと予測される。
初期費用および月額料金を無料とするパイロットプランを2026年末まで募ることで、多様な医療機関からの現場に即したフィードバックを早期に回収し、製品の完成度を高める戦略だ。
一方で、医療情報の取り扱いには厳格な安全性が求められるため、運用のガバナンス構築が最大の障壁になりうる。
電子カルテをはじめとするレガシーシステムとの連携機能は現在開発中であり、これらが既存の業務フローにどこまで自然に溶け込めるかが普及の鍵を握るだろう。
それでも、人手不足が加速する2026年の医療界において、AIを組み込んだ業務基盤の必要性は日増しに高まっている。