北陸銀行とディーカレットDCPは、デジタル通貨「DCJPYネットワーク」を活用した決済事業の検討に関する基本合意書を締結したと発表した。
2027年度中の商用サービス開始を目指し、企業間決済や給与振込、地域通貨などを視野に金融インフラの高度化を進める。
北陸銀行、DCJPYで地域決済の商用化へ
北陸銀行とディーカレットDCPは、DCJPYネットワークを活用したデジタル通貨決済事業の商用化に向け、基本合意書を締結したと2026年6月16日に発表した。
両社は2027年度中のサービス開始を目標に、ビジネスモデルの策定やシステム開発を共同で進める方針だ。
今回の事業では、銀行預金をデジタル化したトークン化預金(※)を活用する。
共同検討の対象には、国内外の企業間決済、デジタル通貨による給与振込、特定商圏での地域通貨利用などが含まれる。また、DCJPYネットワークと北陸銀行の勘定系システムをAPI連携し、高度なセキュリティ要件を定義する。
本件の背景には、地域経済のDX需要の高まりがある。
企業間決済や給与振込などにおいて、正確かつ効率的な送金・支払い体制を構築することは、地域の企業・住民にとって重要な社会インフラの整備に直結するという。
本事業により、従来の送金業務における事務負担の軽減や、特定商圏での利便性向上を図り、地域経済の生産性向上に貢献する考えだ。
※トークン化預金:銀行預金をブロックチェーンなどの技術でデジタル化したもの。銀行預金を裏付け資産とし、効率的な送金や決済を可能にする仕組みで、ステーブルコインとは異なる性質を持つ。
地域DXを後押し 普及と収益化が成否を左右
今回の取り組みが実現すれば、地域金融機関が単なる預金や融資だけでなく、デジタル決済基盤の提供者としての役割を強める可能性がある。
企業間決済や給与支払い、地域通貨が同じネットワーク上で利用できれば、地域経済全体の資金循環を効率化できる余地が広がるだろう。
利用者にとっては、送金手続きの簡略化や決済時間の短縮、将来的なコスト削減などのメリットが期待される。企業側も経理業務の効率化に加え、デジタル化された資金管理や新たな金融サービスを活用しやすくなるかもしれない。
一方で、決済サービスは利用者と加盟店の双方が増えなければ利便性を発揮しにくい。
既存の銀行振込や各種キャッシュレス決済との差別化、地域企業や住民への普及促進が商用化後の大きな課題となるだろう。
今後、地方銀行によるデジタル通貨活用が広がれば、日本の地域金融DXは新たな段階へ進む可能性がある。
商用化後に利用圏をどこまで拡大できるかが普及の鍵となりそうだ。
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