2026年8月3日、電通総研は、SAP BIプラットフォーム「BusinessSPECTRE」シリーズの新オプションとして、データカタログ統合ソリューション「DdataGallery」の提供を開始した。生成AIやAIエージェントの活用を見据え、企業内に散在するデータを整理し、AIが利用しやすい「AI-Ready」なデータ基盤の構築を支援する。
生成AI時代に向けた企業データ基盤を強化
電通総研が提供を開始した「DdataGallery」は、「BusinessSPECTRE」を利用する企業向けの新オプションであり、データカタログ(※)を中心とした統合ソリューションである。SAP ERPに蓄積されたデータだけでなく、外部のデータウェアハウスやBIツールなど複数システムを横断して管理し、企業全体のデータ活用を促進することを目的としている。
最大の特徴は、「BusinessSPECTRE」が保持するSAP ERP固有のメタデータを標準搭載している点にある。データの意味や構造、責任者、来歴などを初期設定なしで利用できるため、従来必要だった設定作業を短縮しながら迅速なデータ分析を実現する。
また、企業内で分散・重複しがちなデータのサイロ化やブラックボックス化を解消し、システム横断で統一的にデータを管理できる環境を整備する。さらに、自然言語によるAI対話型インターフェースを備えており、専門知識を持たない利用者でも必要なデータを検索・取得しやすくなる点も特徴と言える。
※ データカタログ:企業内に存在するデータの所在や内容、利用方法などを一覧化・管理する仕組み。必要なデータを容易に検索・活用できるようにする役割を担う。
AI活用の裾野拡大へ データ品質が競争力を左右する時代に
生成AIやAIエージェントの活用が広がる中、AIの性能を左右する要素としてデータの品質や管理体制への注目が高まっている。AIは大量のデータを扱える一方、意味付けが不十分なデータや管理が分散した環境では、期待した精度や業務効果を得ることが難しい。そのため、企業全体で信頼性の高いデータ基盤を整備する重要性は今後さらに高まる可能性がある。
「DdataGallery」は、データに信頼性を示すタグ付けを行い、人とAIが共通の情報基盤を利用できる環境の構築を目指している。これにより、部門ごとに管理されてきたデータの活用範囲が広がり、意思決定の迅速化や業務効率の向上につながることが期待される。
一方で、データカタログを十分に機能させるためには、継続的なメタデータ管理や運用ルールの整備が欠かせない。
電通総研は次期バージョンで、データ利用申請から承認、提供までを効率化するワークフロー機能の提供も予定しており、今後はデータ・システム・組織を横断したデータマネジメントの高度化が、企業のAI競争力を左右する重要なテーマになっていくと考えられる。