Pacific Metaは、ブロックチェーン×AI領域を手がけるKomlock lab株式会社を完全子会社化したと発表した。
AIエージェントによる自律決済や価値交換の実現を見据え、AIとブロックチェーンを融合した研究開発体制を強化する。
Pacific Meta、Komlock labを完全子会社化
Pacific Metaは、ブロックチェーン×AIエージェント領域で事業を展開するKomlock labを完全子会社化したと、2026年5月21日に発表した。
Pacific Metaは創業以来、ブロックチェーンを活用した事業開発やソリューション提供を進めてきた。
近年は生成AIの進化を背景に、AIが契約や決済、資産管理を自律的に行う未来を見据えた「AI×ブロックチェーン戦略」を推進している。
一方のKomlock labは、CryptoGamesのエンタープライズ部門を母体とする技術チームであり、これまでブロックチェーン開発やAIエージェント関連の技術検証を進めてきた。
Pacific Metaは、自社のグローバルネットワークや事業開発力とKomlock labの技術・思想を組み合わせることで、AIエージェントが自律的に価値交換を行う経済圏の実装を加速できると判断したという。
今回の子会社化では、AIエージェント(※1)による自律決済・価値交換の技術検証、ステーブルコイン(※2)やスマートコントラクトを活用した決済基盤開発、AIエージェントを活用して企業の業務・財務・意思決定を高度化する「AI×ブロックチェーン経営OS」の実装を進める方針だ。
また、グループ企業を実証フィールドとして活用し、業務・財務・意思決定プロセスの高度化も検討する。
加えて、AIエージェントが購買・決済を担う「Agentic Commerce」領域における新規事業・PoCの創出も目指す。
※1 AIエージェント:自律的に判断し、情報収集や契約、決済、業務処理などを実行するAIシステム。生成AIの進化に伴い、次世代の業務基盤として注目が集まっている。
※2 ステーブルコイン:米ドルや日本円など法定通貨と価値を連動させるよう設計されたデジタル資産。価格変動を抑えながら、ブロックチェーン上で送金や決済に活用できる点が特徴である。
AI経済圏の実装加速も 制度や安全性に課題か
今回の子会社化は、日本国内におけるAI×ブロックチェーン領域の競争を加速させる可能性がある。
特に、AIエージェントが自律的に契約や決済を行う「Agentic Commerce」の実現が進めば、企業の業務効率化やコスト削減につながる余地は大きいだろう。
また、ブロックチェーンを活用することで、AIによる取引履歴や契約内容の透明性を高めやすくなる点もメリットと言える。
従来は人間が担っていた承認や決済業務をAIが代替できれば、企業経営やサプライチェーン管理のあり方そのものが変化する可能性もある。
一方で、リスクも無視できない。
AIが自律的に経済活動を行う場合、不正送金や誤判断、責任所在の不明確化といった問題が発生する懸念がある。
さらに、日本国内ではAIや暗号資産関連の制度整備が発展途上であるため、法規制や監督体制が技術進化に追いつくかは不透明だ。
とはいえ今後は、大手IT企業や金融機関を巻き込んだ競争へ発展する可能性もあるため、日本企業がどこまで主導権を確保できるかが注目点になりそうだ。
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