米GoogleはAndroid AutoおよびGoogle built-in搭載車向けの大規模アップデートを発表した。
車内ディスプレイでのYouTube動画再生や、Gemini AIによる高度な運転支援機能を追加し、車内空間体験をよりインテリジェントなものにしていく方針だ。
Android Auto刷新 車内映像とAI機能を強化
2026年5月13日発表のアップデートでは、Android AutoおよびGoogle built-in搭載車に対する大規模なアップデートが決定された。
デザイン面では、Android Autoに新デザイン「Material 3 Expressive」が導入される。Googleマップをディスプレイ全面へ最適表示するほか、視認性を高めたウィジェットや滑らかなアニメーション、壁紙などを実装し、車載UI全体の操作性を向上させる。
「Immersive Navigation(没入型ナビゲーション)」は、Googleマップにとって10年以上ぶりの大規模なアップデートだという。
これは建物や高架道路、地形などを立体的な3Dビューで表示しながら、車線や信号、一時停止標識を強調表示する仕組みだ。
また、駐車中や充電中にYouTubeなどのアプリを車内ディスプレイ上でフルHD・60fps再生できる機能も追加される。
Dolby Atmos(※)対応車種では立体音響にも対応し、完全プライベートの映画館のような音質体験を目指す。なお、動画視聴中に走行を開始した場合は、自動で音声再生モードへ切り替わる仕様となっている。
フルHD動画再生/Dolby Atmos 対応メーカーには、BMW、Ford、Mercedes-Benz、Volvo Cars、Hyundai Motor Companyなどが含まれる。
また、使用するスマートフォンが「Gemini Intelligence」対応スマートフォンである場合、今年後半にAndroid Autoを通じてアクセス可能になるという。ハンズフリーでの情報検索や予定管理、メッセージ返信などを実行できる見込みだ。
さらに「Magic Cue」機能では、メールやカレンダー、メッセージを横断的に解析し、状況に応じた返信候補を提示する。
Google built-in搭載車では、Zoomなど会議アプリとの連携も予定されている。
これらのアップデートは2026年内に順次展開される予定だ。
※Dolby Atmos:音の方向や空間的な位置情報を立体的に再現する音響技術。映画館や高級オーディオ環境で広く採用されている。
Gemini統合で車は“AI端末”へ進化か
今回の発表内容から窺えるのは、Googleが車載端末を単なるナビゲーション機器から、AI統合型プラットフォームへと移行させようとしている様子だ。
車両のフロントカメラを利用したライブ車線案内や、ダッシュボード警告灯の意味をGeminiが説明する機能、荷物がトランクへ収まるかどうかを自然言語で相談できる点などは、従来の音声アシスタントとの差別化要素となるだろう。
一方で、車内データや位置情報、運転行動などをAIが横断的に扱うことへの懸念も残る。
利便性向上の裏側では、個人情報保護や誤認識時の責任範囲、運転注意力への影響など、新たな議論が必要になる可能性が高い。
それでも、自動車業界がソフトウェア中心へ移行する流れは加速していると言える。
今後は車の性能そのものだけでなく、「どういったAI体験を提供できるか」も競争軸としての存在感を増していくだろう。
関連記事:
Googleマップ、EVユーザーの充電計画を自動化 Android Autoで航続不安を軽減
