2026年5月5日、鹿児島県薩摩川内市で建設計画が進む国内最大級のAIデータセンター予定地を、県選出の国会議員らが視察したとメディアが報じた。計画地は川内火力発電所跡地「サーキュラーパーク九州」で、350メガワット規模の電力容量を想定する。生成AI需要の急拡大を背景に、地方発の大規模AIインフラ整備として注目されている。
薩摩川内市で国内最大級AI拠点計画
AIデータセンターの建設計画が進められているのは、鹿児島県薩摩川内市にある「サーキュラーパーク九州」の敷地内である。ここは九州電力の川内火力発電所跡地を再活用する産業拠点で、既存の送電設備や広大な用地を活用できる点が大きな特徴となっている。
今回、県選出の国会議員や塩田康一知事、県議会および市議会の議長らが現地を訪れ、事業担当者から計画の進捗説明を受けた。施設運営を担う「カイシンデジタルインフラストラクチャー」は2026年2月、鹿児島県、薩摩川内市、九州電力などと早期開設に向けた覚書を締結している。
計画されるデータセンターは350メガワット規模の電力容量を想定しており、国内最大級になる見通しだ。生成AIの普及によって演算需要が急増する中、高性能GPU(※)を大量運用できるインフラ整備が急務となっており、地方都市に大型AI基盤を整備する動きとしても注目を集めている。
※GPU:画像処理向けに開発された演算装置。現在は生成AIの学習や推論処理に不可欠な半導体として活用され、大規模AIデータセンターでは大量導入が進んでいる。
AI産業集積に期待 電力負荷には課題も
今回の計画は、地方経済に新たな成長機会をもたらす可能性がある。AI関連企業やクラウド事業者の進出が進めば、周辺地域での雇用創出や関連産業の活性化につながると考えられる。特に、安定した電力供給基盤を持つ地域は、今後のAI時代における重要拠点として存在感を高めることになりそうだ。
一方で、大規模AIデータセンターは膨大な電力を消費するため、電力負荷や環境面への懸念も残る。350メガワット規模は一般的な産業施設を大きく上回る消費量であり、再生可能エネルギーとの連携や送電網強化が不可欠になる可能性が高い。
さらに、日本ではAI向け半導体や計算基盤の多くを海外企業に依存している。今後はデータセンター建設だけでなく、半導体供給網の強化やAI人材育成を含めた国家規模の戦略が求められると言える。
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