2026年4月27日、欧州委員会は米グーグルに対し、Android搭載スマートフォンの機能を競合AIにも開放するよう要求したとメディアが報じた。欧州発の規制強化が、AIプラットフォーム競争の構造を揺るがす可能性がある。
EU、AndroidのAI囲い込み是正へ
欧州委員会は、グーグルの基本ソフト「Android」を巡り、競合AIサービスとの相互運用性を確保するよう求めた。対象となるのはメール送信や写真共有、フード注文など日常的なスマートフォン機能であり、現状では「Gemini」など自社AIに優先的に接続されていると指摘する。
この措置はデジタル市場法(※)に基づくもので、巨大ITによる自社サービスの優遇を禁じる規制の一環だ。EUは5月13日まで関係者から意見を募り、その後グーグルへの正式対応を決定する見通しである。
背景には、生成AIの急速な普及がある。
OSレベルでの優位性を持つ企業がAI機能まで囲い込めば、市場支配が固定化される懸念が高まっている状況での対応と言える。
※デジタル市場法(DMA):欧州連合が導入した規制で、巨大IT企業による市場支配の防止を目的とする。特定企業を「ゲートキーパー」と定義し、自社サービスの優遇や競合排除を禁じるなど厳格なルールを課している。
AI競争は「接続開放」時代へ
今回の動きは、AI競争の軸を「性能」から「接続性」へとシフトさせる契機になる可能性がある。競合AIがAndroidの標準機能にアクセスできれば、ユーザーは用途ごとに最適なAIを選択できる環境が整う見込みだ。
一方で、プラットフォームの分断やセキュリティリスクの増大といった課題も浮上する。異なるAIが同一機能にアクセスすることで、データ管理や責任範囲が複雑化するためだ。
また、グーグルにとっては収益源である自社AIの優位性が薄れる懸念もある。
それでもEUの狙いは明確である。AIを含むデジタル基盤を「開かれた市場」として再設計することで、イノベーションの裾野を広げる戦略だ。
今後、この規制モデルが他地域や他社へ波及するかが、グローバルなAI競争の行方を左右することになると言える。
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