メインコンテンツへスキップ
最新ニュース 4分で読める

STANDAGEとDCPが貿易決済を一体化 28年度商用化へ

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

STANDAGEとDCPは、商工中金の参加のもと、決済一体型貿易プラットフォームの共同検討開始を発表した。
電子船荷証券とトークン化預金「DCJPY」を連動させ、代金決済と権利移転を同期する仕組みを検証し、2028年度の商用化を目指す。

電子船荷証券とDCJPYを連携、同時決済を検証

2026年10月28日に発表された構想では、STANDAGEが採用するCargoXの電子船荷証券(eB/L)基盤と、DCPのトークン化預金プラットフォームを接続する。
商工中金が発行する「DCJPY」を使い、船荷証券の権利移転と代金の支払いを同時に履行するDvP決済(※)の構築を目指す。

スマートコントラクトを使って処理を自動化し、輸出企業が商品を引き渡したのに代金を回収できないリスクを低減する狙いだ。
輸入企業も、紙の船荷証券が届くまで待つ必要がなくなれば、貨物の引き取り遅延による滞船料の発生を抑えられる。

現状の貿易実務では、紙書類の国際郵送に時間と費用がかかり、貨物が書類より先に到着するケースも課題となっている。
10月23日にはeB/Lに関する商法改正案が閣議決定され、2027年度中の施行が見込まれる。
両社は制度整備を踏まえて実証実験の準備を進め、商流の電子化と金流の同期を検証する。

また、将来的には他の金融機関がDCPの基盤上でトークン化預金を発行し、STANDAGEの「デジトラッドペイメント」と連携できる仕組みを構想している。
DCPは国際決済ネットワーク「Partior」などとの接続も視野に入れ、海外送金の透明化と高速化を目指す方針だ。

構想では、スマートコントラクトを活用して24時間のオンライン申請を可能にする一方、権利移転と決済の実行には銀行による所定の確認を必要とする。
今回のDvP決済スキームは実証前の段階にあり、両社は2028年度の商用化に向け、制度・技術・実務フローの確立を進める方針だ。

※DvP決済:資産や権利の引き渡しと代金の支払いを連動させ、一方だけが実行されるリスクを抑える決済方式。

未回収リスク低減に期待、銀行審査との両立が鍵

仕組みが実用化されれば、特に貿易専門人材や資金に余裕のない中小・中堅企業に恩恵が及ぶ可能性がある。
郵送費や書類管理の負担が減り、船積みから資金回収までの期間を短縮できれば、運転資金の効率的な活用にもつながるだろう。

また、企業が普段使う預金口座に近い感覚で導入できれば、金融機関を窓口とした貿易DXの普及が進むと考えられる。
大規模なシステム改修を必要としない仕組みは、デジタル化への投資が難しい中小・中堅企業にとって、導入のハードルを下げる要因となりそうだ。

こうした仕組みが広く普及すれば、企業ごとに異なる貿易手続きのデジタル化を後押しする可能性がある。
取引履歴の電子的な記録は、金融機関による取引管理の効率化や、サプライチェーン全体の透明性向上にも寄与するだろう。

一方、eB/Lと預金決済を一体化するには、銀行の本人確認やマネーロンダリング対策を含む審査を確実に実施する必要がある。
24時間申請できても、銀行の確認に時間がかかれば、期待する速度向上が限定的となる可能性は残る。

また、貿易取引には海外の取引先や船会社も関わる。異なる事業者間で電子書類の受け渡しや権利移転を円滑に運用できるかも、普及を左右する要素だ。
2028年度の商用化に向け、実証でどこまで業務の効率化と安全性を両立できるかが注目される。

株式会社DCP プレスリリース

関連記事:

ビットトレード、貿易で暗号資産を実証 円転まで数時間以内

RELATED ARTICLEビットトレード、貿易で暗号資産を実証 円転まで数時間以内ビットトレードとSTANDAGEが貿易領域で暗号資産を活用する共同実証の結果を公…Read →

金融庁、貿易決済のステーブルコイン実証支援 6社で法的論点を検証

RELATED ARTICLE金融庁、貿易決済のステーブルコイン実証支援 6社で法的論点を検証金融庁は国内6社による貿易取引でのステーブルコイン活用実証を支援すると発表した。…Read →

SBI新生銀行、円建てトークン化預金「DCJPY」導入検討 Partior・ディーカレットDCPと提携

RELATED ARTICLESBI新生銀行、円建てトークン化預金「DCJPY」導入検討 Partior・ディーカレットDCPと提携2025年9月16日、SBI新生銀行は円建てトークン化預金「DCJPY」の導入検…Read →
Share this article コピーしました
WRITTEN BY

PlusWeb3 編集部

Web3・AI専門メディア

PlusWeb3 編集部は、ブロックチェーン・Web3・AIの最新動向をわかりやすくお届けする専門メディアチームです。業界経験豊富な編集者とリサーチャーが、信頼性の高い情報を厳選してお届けします。

コピーしました

Web3・AI・ディープテック領域のキャリアに興味がありますか?

業界特化メディアを運営する専門エージェントが、企業のカルチャー・技術スタック・選考ポイントまで踏まえてキャリアをご提案します。相談は完全無料です。