JR東日本は新宿駅で「移動式ごみ箱ロボット」の実証実験を行うと発表した。9月8日から地下1階の改札内コンコースを自動走行し、ごみを収集する。混雑時の安全性や利用者の移動への影響を検証し、清掃業務の効率化につなげる狙いだ。
新宿駅構内を自動巡回、ごみを収集
2026年9月4日の発表によると、ロボットの走行エリアは新宿駅地下1階の東・西・中央東・中央西改札内コンコースで、このエリアをロボットが自動走行しながら巡回し、ごみを収集する仕組みとなる。
使用するのは、米Cartkenが開発した屋内外走行可能な自動配送ロボットで、三菱電機とメルコモビリティーソリューションズが運用を担う。米Cartken社の自動配送ロボットは、自動走行性能や遠隔操作機能を備えており、マイアミでフードデリバリーサービスを展開するなどの実績を持つ。
JR東日本は、センサーなどを用いた走行時の安全性、混雑時に生じる課題、利用者の移動への影響などの運用面を実証する。実証中も既設のごみ箱は通常どおり利用でき、ロボットへの全面的な置き換えではなく、導入可能性を探る段階に位置付けられる。
今回採用する車体には、JR新宿駅キャラクター「しんじゅくま」のラッピングを施し、社会的な受入れも含めた検証も行うとのことだ。
実証期間は9月8日から11月20日までの平日を予定している。
清掃効率化の一方、混雑対応の実証が必要に
移動式ごみ箱が駅構内を巡回できれば、利用者とごみ箱との距離を縮めつつ、清掃側ではごみ回収の効率化につながる可能性がある。JR東日本が掲げるロボット活用による働き方改革とも重なり、単なる設備追加ではなく、駅サービスと現場業務の双方を見直す試みと言える。
一方、新宿駅のように人流が多い場所では、ロボットが安全に走れることだけでは十分ではない。立ち止まりや進路変更が頻繁に起こる構内で、歩行者の邪魔にならず、混雑を悪化させずに巡回できるかが重要になる。混雑時への対応が不十分であれば、清掃効率化の利点より運用上の制約が大きくなる可能性もある。
また、技術的に走行可能でも、利用者が自然に受け入れるかは別の課題だ。今回、社会的な受容性まで検証項目に含めたのは、公共空間へのロボット導入では性能だけでなく、人との共存方法が実用化を左右するためと考えられる。
今後は実証で得た課題を踏まえ、安全性、人流への影響、清掃業務の効率化をどこまで両立できるかが焦点となる。新宿駅で運用上の知見を蓄積できれば、多くの利用者が行き交う駅でロボット活用を広げる際の判断材料になる可能性がある。
JR東日本 「新宿駅にて「移動式ごみ箱ロボット」の実証実験を行います」
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