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UNDPとNECがAI連携を強化 自然資本保全へ協力覚書を締結

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年9月7日、国連開発計画(UNDP)と日本電気(NEC)は、AIをはじめとするデジタル技術を活用し、自然資本の保全と気候変動への対応を推進する協力覚書(MOU)を締結した。自然環境データを基盤に、生物多様性保全や気候変動対策、持続可能な地域社会の実現に向けた連携を世界規模で進める。

UNDPとNEC、AIで自然資本保全を推進

UNDPとNECは、AIをはじめとする先進的なデジタル技術と、UNDPが世界各国で培ってきた開発支援の知見・ネットワークを組み合わせ、自然環境の保全・再生と気候変動への対応を推進するMOUを締結した。

今回の連携では、自然環境データを活用し、AI・デジタルインフラや地域社会のレジリエンス(※)を評価・向上するための知見を創出するほか、ネイチャーポジティブで気候レジリエントな開発を支えるデジタルソリューションの検討を進める。また、地域コミュニティと連携し、日本企業を含む持続可能でレジリエントな国際サプライチェーンの実現も検討対象となる。

さらに、生物多様性保全や気候変動対策に貢献するデジタル技術の活用促進に向けた情報発信や、新たな協力機会を創出するための継続的な対話も実施する方針だ。

当面の取り組みとして、両者はデータセンターなどのAI・デジタルインフラやサプライチェーン、周辺地域社会のレジリエンスを自然環境データに基づいて評価するホワイトペーパーを共同で執筆し、その成果を発信する。

海外での実証も開始していく方針だ。エチオピアでは、NECの農業ICTプラットフォーム「CropScope(※)」を活用し、コーヒー農家の気候変動適応を支援するワークショップを実施する予定である。データに基づく農業支援を通じて、現地での協力モデルの構築を協議し、新たな連携分野も継続的に検討していく。

UNDPのマルコス・ネトー総裁補は、AIは気候変動や環境課題の解決に大きな可能性を持つ一方、開発途上国で持続可能に活用するためには支援が不可欠だとコメントした。NECの井手伸一郎Corporate SVPも、自然環境データを活用した意思決定支援の知見を生かし、持続可能な社会の実現に貢献したいとしている。

※レジリエンス:自然災害や気候変動などの外部環境の変化に対し、社会やインフラ、企業活動が適応・回復する力。 ※CropScope:農地や気象などのデータを活用し、農業の状況分析や営農支援を行うNECの農業ICTプラットフォーム。

AIと自然資本の連携が企業経営を変える可能性

今回の協力のメリットは、AIを自然環境データと組み合わせることで、生物多様性や気候変動リスクを企業経営やインフラ運営の判断材料として活用できる点にある。サプライチェーンやデータセンターのリスク評価が進めば、事業継続性や投資判断の高度化につながる可能性がある。

一方で、自然環境データは地域によって取得方法や品質が異なり、AIによる分析結果をそのまま経営や政策へ適用することには課題も残る。現地コミュニティとの連携や継続的なデータ整備が不可欠であり、技術だけでは解決できない側面もある。

今後は、UNDPの国際ネットワークとNECのAI技術を組み合わせた実証が各国へ広がる可能性がある。自然資本を経営や投資の指標として活用する動きが進めば、企業のサステナビリティ戦略やTNFD(※)対応にも影響を与える取り組みとなりそうだ。

※TNFD:企業が自然資本や生物多様性に関するリスクと機会を評価・開示するための国際的な情報開示フレームワーク。

日本電気 ニュースリリース

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