Googleは「Gemini 3.8 Flash」と「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。
ソフトウェア開発やAIエージェントの長期タスク、脆弱性検出などの性能を強化し、開発用途からサイバー防御まで幅広い活用を見込む。
長期コーディングとエージェント性能を向上
2026年9月2日、Googleは「Gemini 3.8 Flash」と「Gemini 3.8 Flash Cyber」を発表した。
Gemini 3.8 Flashは、3週間前に公開された3.7 Flashに続く新モデルで、ソフトウェア開発やエージェント型タスク、専門分野の多段階推論の性能を高めている。
導入価格は3.7 Flashと同じで、100万入力トークン(※)当たり0.75ドル、出力は3.75ドル。
2027年1月1日からは、それぞれ1.50ドル、7.50ドルとなる。
長期的なソフトウェア開発能力を測るDeepSWE v1.1では73.7%を記録し、3.7 Flashの65.3%を上回った。
エージェントによるターミナル操作を評価するTerminal-bench 2.1でも89.4%となり、3.7 Flashの85.8%から向上している。
Googleによると、3.8 Flashは複雑なタスクで追加の推論ステップを実行し、ツールを繰り返し呼び出す。
推論に割り当てる処理量を高く設定した場合、性能向上と引き換えにトークン使用量が増えることもあるという。
処理効率を優先する用途では、推論に割り当てる処理量を下げるか、引き続き3.7 Flashを利用できるとしている。
同時発表のGemini 3.8 Flash Cyberは、脆弱性の検出と自動修正に特化する。脆弱性発見ベンチマークCyberGymでは86.2%を記録した。
通常版より幅広いサイバーセキュリティ機能を利用できるため、Fairwind Programを通じ、信頼できる政府機関や重要インフラ事業者、ソフトウェア保守担当者などに提供される。
※トークン:生成AIが文章やコードを処理する際の基本単位。APIでは入力・出力したトークン数などに応じて利用料金が算定される。
自律開発に強み トークン消費との両立が焦点
今回の発表で注目できるのは、単発のコード生成だけでなく、ツールを使いながら複数工程を進める長期タスクの性能が改善している点である。
仕様の確認から実装、検証、修正までをAIエージェントに任せる開発環境では、こうした継続的な推論能力が重要になるとみられる。
3.7 Flashと同じ導入価格で性能が向上した点も、APIを大規模に利用する開発者にはメリットとなりそうだ。
一方、性能向上と処理効率は分けて考える必要がある。
複雑な開発タスクでは3.8 Flashの強みを生かせる一方、大量の軽量処理では、追加の推論やツール呼び出しによるトークン消費がコスト増につながる可能性がある。
そのため、用途に応じて推論量を調整したり、3.7 Flashと使い分けたりする運用も選択肢となるだろう。
今後、AIエージェントを開発工程へ組み込む際は、ベンチマーク性能だけでなく、実際のタスクで生じるトークン量や実行時間、ツール呼び出し回数まで含めた評価が重要になるかもしれない。
こうした実運用時の効率を把握できるかが、導入効果を判断する一つのポイントとなりそうだ。
News from Google 「Introducing Gemini 3.8 Flash and 3.8 Flash Cyber」
関連記事:
Google「Gemini 3.7 Flash」公開 コーディング性能を強化、年内は半額の導入価格

MetaがMuse Spark 1.3発表 エージェントとコーディングを強化

OpenAIがGPT-6 Astra発表 業務AIの自律性を強化
