UPBONDは、JapanTicketと連携し、アパホテル宿泊者向けに観光体験や飲食店予約を案内するテスト運用を6月から開始したと発表した。
AIによる提案から予約までをつなぐ送客モデルを検証するとともに、将来的にはJPYCを活用した決済まで一体化する構想だ。
AI提案から旅ナカ予約まで一体化
UPBONDは2026年8月19日、アパホテルに導入する訪日旅行者向けの「事前チェックイン×AIエージェント」サービスと、JapanTicketが扱う観光・飲食コンテンツを組み合わせたテスト運用を6月から開始したと発表した。
宿泊予約後から滞在中まで旅行者と接点を持ち、関心に応じた情報を提示したうえで、そのまま予約へ進める導線の構築を目指す。
テスト運用では、寿司店や和食店などの飲食店予約に加え、相撲部屋の朝稽古見学、箸づくりや伝統工芸体験、ガイド付きまち歩きなどを案内するコンテンツとして想定している。
百貨店や商業施設、観光施設で使えるクーポンも想定しており、旅行者の利便性向上と地域での観光消費拡大につなげる考えだ。
従来はAIによる周辺情報の提案が中心だったが、JapanTicketとの連携によって、AIが提案した観光体験や飲食店をそのまま予約できるようにする。
検証項目には予約の利用状況や提案への反応、旅行者の満足度、観光施設・飲食店への送客効果などを設定した。
さらにUPBONDは、JPYC株式会社との連携を通じ、円建てステーブルコイン「JPYC」(※)を利用した決済体験の実現にも取り組む。
将来的にはAIによる体験提案や予約から支払いまでを一つの導線で完結させる構想である。
※JPYC:日本円と連動する円建てステーブルコイン。価格を円に連動させることで、暗号資産特有の価格変動を抑えながら、デジタル上での送金や決済への活用を想定する仕組みである。
観光消費拡大の一方で提案精度が鍵
今回の連携が機能すれば、宿泊施設は単なる滞在拠点から、旅行者と地域サービスを結ぶ接点へ役割を広げられる。
飲食店や観光事業者にとっても、宿泊前から旅行者へ情報を届けられるため、新たな集客チャネルになる可能性がある。
特にAIが旅行者ごとの関心を把握し、適切な体験を提示できれば、情報検索から予約までに必要な手間を減らせる点は大きい。
JPYCを活用した決済まで統合されれば、為替手数料や支払い失敗といったインバウンド旅行者の負担を抑え、予約から決済までの離脱を減らす効果も期待できる。
一方、送客モデルを広げるには、AIの提案精度や掲載コンテンツの充実度が重要になるだろう。
旅行者の嗜好と合わない案内が増えれば利用率は伸びにくく、地域事業者側にも安定した送客効果を示せない。
今後は今回のテストで、予約率や満足度だけでなく、地域事業者への送客が実際の消費増加につながるかが焦点となりそうだ。
宿泊、AI、予約、決済を横断した仕組みとして成果を示せれば、ホテルを起点とする新たなインバウンド向け流通モデルへ発展する可能性がある。
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