2026年8月26日、エフサステクノロジーズとNTT西日本は、高度な情報管理が必要な組織向けに純国産LLM「tsuzumi 2」を活用したオンプレミス(※)生成AI基盤を2026年9月から提供すると発表した。
ローカル環境で「tsuzumi 2」を運用 国内管理で高度な情報保護を実現
エフサステクノロジーズとNTT西日本は、外部のクラウドを経由せずにオンプレミス環境で純国産LLM「tsuzumi 2」を安定運用するための動作検証を完了した。エフサステクノロジーズのオンプレミス生成AI基盤「Private AI Platform on PRIMERGY」と「tsuzumi 2」を組み合わせることで、顧客はデータ、AIモデル、インフラ基盤のすべてを国内で安全に一元管理できるようになる。官公庁、研究機関、金融機関、製造業など、研究データや顧客情報といった機密性の高い情報を扱う組織を対象としている。
本ソリューションではNTT西日本がプライム事業者として「tsuzumi 2」や導入・技術支援を提供し、エフサステクノロジーズがハードウェアの提供や全国約700拠点を活かした保守・運用を担う。採用されている「tsuzumi 2」は1GPUで稼働する軽量モデルでありながら高い日本語能力を備えており、導入コストや維持管理の負荷を大幅に抑えることが可能だ。スモールスタートから大規模展開まで柔軟に対応するモデルが揃っている。
※オンプレミス:自社や組織内の設備に自前でサーバーやシステムを構築・運用する形態。外部ネットワークと遮断できるため高度な情報保護に適している。
データ主権の確保がもたらす価値 初期コストや運用体制の確保が課題
経済安全保障への関心が高まる中、データやAIモデルを自国で管理する「ソブリンAI」の要求は急速に強まっている。研究データや個人情報を国外のクラウドに送信することなくローカル環境で即座に処理できる点は、企業や自治体がガバナンスを維持する上で極めて強力なメリットになると捉えられる。今後は官公庁や金融分野だけでなく、医療やエネルギーといった社会インフラ領域全般への波及も期待されるところだ。
一方で、オンプレミス運用ならではの留意点も懸念される。クラウド型のSaaSと比較した場合、専用ハードウェアの準備や設置に伴う初期費用が発生する懸念は否定できない。また、社内ネットワークやインフラを管理するセキュリティ人材の確保や、ハードウェアの更新コストが必要になる点も課題として浮上する可能性がある。導入側がどれだけ費用対効果を実感できるかが、今後の普及スピードを左右するカギとなりそうだ。
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