2026年8月18日、神奈川県横浜市の株式会社LoiLoは、授業支援アプリ「ロイロノート・スクール」で使える「生成AIスキルカード」を公開した。項目を入力してPDF化するだけで生成AIを活用でき、8月31日には無料のオンライン体験イベントも開催する。
LoiLo、生成AI活用を入力だけで可能に
LoiLoが公開した「生成AIスキルカード」は、生成AIへの指示文(プロンプト)を教員自身が作成する負担を軽減するための素材である。ロイロノートのカードに作りたいものの概要や条件を入力し、PDFに書き出して生成AIへアップロードすることで、カードの内容に沿った出力を得られる仕組みだ。
生成AIは、前提情報や指示の伝え方によって出力の質が変わる。一方で、必要な情報を整理してプロンプトに落とし込む作業は、日々の校務や授業準備の中で負担となる場合がある。今回のスキルカードは、その工程を入力欄を埋める作業に置き換える。
公開されているカードには、学年・教科・単元・問題数・難易度などを指定してテスト問題を作成する「テストカード作成カード【全教科】」や、単元と目標から指導案のアイデアを作成する「指導案アイデア作成カード」がある。さらに、修学旅行などの行事のお知らせや学級通信の文面を作成するカードも用意され、授業だけでなく校務への活用も想定されている。
カードはロイロノートの資料箱を通じて他の教員と共有でき、活用事例を学校全体の資産として蓄積できる。素材ライブラリでは、全国の教員が作成した生成AIスキルカードを無料でダウンロードできる。
また、2026年8月31日15時45分から16時45分まで、オンラインイベント「プロンプトなしで生成AIがつかえる!生成AIスキルカード」を開催する。公開中のカードを体験できるほか、オリジナルカードを作るワークも予定されている。対象は教員、教育委員会、ICT支援員などで、参加費は無料となる。
導入の壁を下げる一方、確認と運用が重要に
最大のメリットは、生成AIの活用経験が少ない教員でも、用途に応じた入力項目を埋めることで利用を始めやすくなる点だ。プロンプト作成そのものを学ぶ前に、テスト作成や学級通信など具体的な業務から生成AIを試せるため、現場での利用機会を増やす効果が期待できる。
さらに、カードを教員同士で共有できる仕組みは、個人の試行錯誤を校内の知識として蓄積するうえで有効だろう。全国の教員が作成したカードを利用できる環境も、学校ごとに異なる活用ノウハウを広げる基盤になり得る。
一方、カードを利用したからといって、生成AIの出力が自動的に正確になるわけではない。生成された問題や文章が授業内容や児童生徒の実態に適しているか、誤情報が含まれていないかなどを教員が確認する必要がある。特に教育現場では、生成AIの結果をそのまま利用するのではなく、最終的な判断を人が担う運用が欠かせない。
今後は、スキルカードの種類や活用事例が増えることで、生成AIを一部の先進的な教員だけでなく、学校全体へ展開しやすくなる可能性がある。LoiLoの共有基盤と組み合わせて実践例が蓄積されれば、教育現場における生成AI活用の標準化を後押しする存在になると考えられる。