東京都はLINE Creditに対し、貸金業法上の義務に違反したとして業務改善命令を出した。システムの不備により、返済能力の調査や過剰貸付けの防止などが適切に行われていなかったという。
LINE Credit、システム不備で貸金業法に違反
東京都が公表した業務改善命令では、LINE Creditが返済能力の調査義務、過剰貸付け等の禁止、基準額超過極度方式基本契約に係る調査義務に違反したとされている。処分日は2026年8月18日で、同社は東京都知事登録の貸金業者である。
同社では、与信判断に用いるシステムの不備により、収入証明書面等の提出が必要な一部の個人顧客から書類を受け取っていなかった。
さらに、一部顧客について個人過剰貸付契約(※)となる極度方式基本契約を締結していたという。
また、極度方式基本契約を締結している個人顧客についても、システムの不備によって信用情報を用いた調査を適切に行えないケースが発生した。極度方式個人顧客合算額が100万円を超える場合に必要となる収入証明書面等の提出も、一部で行われていなかった。
東京都は再発防止に向け、法令遵守を確保するシステム開発態勢の整備を求めた。
加えて、システム上の不備や法令違反のおそれを適時に把握するモニタリング態勢、これらを有効に機能させる経営管理・業務運営態勢の整備も必要としている。
※個人過剰貸付契約:貸金業法の定めにより、個人顧客の返済能力などを踏まえて過剰な貸付けに該当すると認められる契約。一定の条件では契約を締結してはならない。
システム依存の与信管理に再点検の余地
今回の処分は、金融サービスにおけるシステムの設定や運用が、法令遵守そのものに直結することを示す事例と考えられる。審査を自動化するほど、担当者が個別に異常を発見する機会が減るため、複数段階で確認できる仕組みが重要になりそうだ。
利用者側から見れば、必要な確認を経ずに貸付けが行われる事態は、返済負担の増加につながるおそれがある。
特にデジタル金融サービスでは手続きが迅速に進むため、利便性と適切な与信管理をどう両立させるかが課題になり得る。
一方、システム開発、モニタリング、経営管理を一体で見直せれば、同様の問題を早期に把握しやすくなる可能性がある。個別の設定修正だけで終わらせず、運用全体を検証する仕組みまで整えられるかがポイントになるだろう。
今後は、LINE Creditが東京都から求められた態勢整備をどのように進めるかが注目される。今回求められた態勢整備が実効性を持てば、デジタル金融サービスにおける「システムで守る法令遵守」のあり方を考える契機にもなりそうだ。
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