マネックスグループが「マネックス・オンチェーン金融研究所」の創設を発表した。
ブロックチェーンを金融インフラとして活用する動きが広がる中、オンチェーン金融の研究から事業化、社会実装までを支援する体制を整える。
マネックスG、オンチェーン金融研究所を創設
マネックスグループは、グローバル標準となるオンチェーン金融の在り方を研究し、社会実装を推進する「マネックス・オンチェーン金融研究所」の創設を2026年8月5日に発表した。
研究所では、オンチェーン金融インフラや社会実装に必要な機能・法制度、トークン化資産(※1)やRWA(※2)、ステーブルコインの組成・流通・活用などを研究テーマとする。
背景には、ブロックチェーン技術が暗号資産やWeb3にとどまらず、金融市場そのものの構造を変え始めていることがある。
米国では証券のトークン化やオンチェーン化が進展しており、決済期間の短縮や市場インフラの効率化、新たな金融商品の創出などが期待されている。
日本でも「経済財政運営と改革の基本方針2026(骨太方針2026)」に「オンチェーン金融の推進」が明記され、金融資産のデジタル化・オンチェーン化が加速すると見込まれている。
マネックスグループは、2018年にコインチェックをグループに迎えて以降、暗号資産交換業に加え、IEOやステーキングサービスなどを展開してきた。
また、2025年にグループ入りしたNext Finance TechはCanton Networkのバリデーターとして活動しており、マネックス証券はオンライン証券市場で培った金融・テクノロジーの知見を持つ。
研究所では、こうしたグループ各社の技術・知見・顧客基盤に加え、マネックス・アセットマネジメントの運用商品の組成力を結集する。
世界各国の規制や技術革新、日本の法制度・市場環境を調査し、金融機関やスタートアップに対してサービス設計から事業化、社会実装までを支援する方針だ。
※1 トークン化資産:証券などの権利をブロックチェーン上のトークンとしてデジタル化した資産。
※2 RWA:現実世界の資産をデジタル化して活用する概念。
金融市場の効率化を促す一方、制度整備が課題に
今回の取り組み最大のメリットは、暗号資産と伝統的な証券市場を横断してオンチェーン化を検討できる点だろう。オンチェーン金融が進展し、トークン化された証券、暗号資産、ステーブルコインなどが相互に連携する環境が整えば、資産移転や決済の効率化に加え、従来にはなかった金融商品・サービスの創出につながる可能性がある。
また、研究と事業化を分断せず、社会実装まで視野に入れることで、技術の実用性を検証しやすくなるはずだ。マネックスグループが持つ証券・暗号資産双方の知見を組み合わせることは、国内でオンチェーン金融を普及させるうえで一定の競争力になり得る。
一方、技術面だけで金融市場の変革が進むわけではない。
オンチェーン化された金融資産を既存市場とどう接続するのか、どのような法制度やルールを整備するのかといった課題は残るだろう。特に、ステーブルコインやトークン化資産を広く流通させるには、制度面と市場インフラの整合性が重要になりそうだ。
今後、研究成果を具体的な金融サービスへ転換できれば、オンチェーン金融はWeb3領域に限定されない次世代の金融基盤へ発展する可能性がある。研究所の活動は、国内金融市場のデジタル化を実用段階へどこまで押し上げられるかを測る一つの試金石となりそうだ。
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