2026年7月16日、Ahrefsが公開した調査で、Google検索のAI概要(AI Overviews)表示により検索1位ページのクリック率が大幅に低下していることが判明した。日本では2026年6月時点で低下率が62.7%に達し、検索流入の構造が変化している。
AI概要で検索1位CTRが半年で急落
Ahrefsの調査によると、情報収集型キーワードにおけるGoogle検索1位のクリック率(CTR)は、AI概要の普及に伴って大幅に低下している。日本では2025年12月時点の低下率が38%だったが、2026年6月には62.7%まで拡大した。米国でも同期間に58%から68.8%へ悪化している。
調査では、AI概要が表示されなかった場合に得られたと推定されるCTRと、実際のAI概要表示時のCTRを比較して低下率を算出した。日本の場合、2026年6月の予測CTRは24.1%だった一方、AI概要表示時の実測CTRは9.0%にとどまり、検索1位でも大幅なクリック減少が発生している。
背景には、検索結果ページ内で回答が完結するゼロクリック検索の増加がある。GoogleのAI概要は検索上部でユーザーの疑問に対する要約を提示するため、定義確認や簡単な情報収集を目的とした検索ではWebサイトへの訪問が不要になりつつある。
また、AI概要によって従来のオーガニック検索結果が画面下部へ押し下げられる影響も大きい。順位そのものが維持されていても流入数だけが減少するため、企業は従来の順位やCTRだけでは検索施策の成果を正確に判断できない状況になっている。
AI時代は引用価値が競争軸に
AI概要によるクリック減少は、企業のSEO戦略に新たな方向転換を促す可能性がある。今後は検索順位の獲得だけでなく、AIが回答を生成する際の参照元として選ばれることが、重要な評価軸の一つになると考えられる。
AI概要は、複数のWebページを参照して回答を構成している。そのため、専門性や独自性の高いコンテンツを発信する企業は、従来の検索流入とは異なる形で、AI経由のブランド認知拡大につながる可能性がある。
一方で、AIによる引用基準は完全には公開されておらず、従来型SEOのように明確な順位改善施策を設計することは難しいとみられる。企業は検索順位だけでなく、AI検索上で自社情報がどの程度参照されているかを分析する指標も検討する必要があるだろう。
今後はAEOやLLMOと呼ばれる、AI回答向けの最適化施策への関心がさらに高まる可能性がある。検索流入を単純に増やすだけではなく、AIが参照しやすい情報源を構築し、指名検索やブランド価値向上につなげる取り組みが求められる時代になると考えられる。
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