NECとコエドブルワリー、エージェントAIで新しいクラフトビールを開発

NECとコエドブルワリーは2025年3月27日、エージェント型AIを活用したクラフトビール「人生醸造craft」を発表した。
2025年4月1日から予約販売が開始され、6月5日から順次出荷予定だ。
AIが生み出す世代別クラフトビール「人生醸造craft」
NECとコエドブルワリーの共同開発によって誕生した「人生醸造craft」は、「AIがビールのレシピを設計する」という新たな試みによって開発されたビールだ。
大規模言語モデル「cotomi」を基盤としたNECの「Agentic AI」が、20代から50代までの世代ごとの特徴を分析し、レシピを生成した。
それを基に、それぞれのライフスタイルや嗜好を反映した4種類のビールが開発された。
AIの関与は単なるデータ分析にとどまらない。cotomiが世代ごとのペルソナを作成し、それに基づくレシピが提案された。その後、ビール職人と協議を重ね、最適なバランスを見つけ出すプロセスを採用している。
コエドブルワリーの代表取締役は、「職人とAIは対極にあるように感じられるが、対立ではなく協働できる環境が生まれるのではないかと考えた。これまでも職人の集合知により多くの賞をもらうことができたが、Agentic AIにより、スキルがある新しい仲間が一人増えたような感じだ。」と述べ、AIと職人の協働による価値創出を強調している。
本商品は4本セットで販売され、価格は税込み1,980円となっている。
初回ロットは2000セット用意され、2025年4月1日よりコエドブルワリーの公式オンラインストアで予約を開始する。その後、6月5日から順次出荷される予定だ
AIと職人の協働がもたらすクラフトビール市場の変化と展望
「人生醸造craft」の登場は、クラフトビール業界に新たな潮流をもたらす可能性がある。
AIが市場のニーズを分析し、職人と協力して独自のレシピを生み出すことで、多様な消費者に対応できる点が注目されている。
特に、世代ごとの嗜好を反映したビールというコンセプトは、ターゲットの明確化とブランドの差別化に寄与するだろう。
また、初回ロットの反応次第では再醸造の可能性もある。
消費者のフィードバックをAIが分析し、次回のレシピ開発に反映させることで、より洗練されたビールが生まれると考えられる。
この取り組みは、食品・飲料業界におけるAI活用の新たな事例となる。
NECとコエドブルワリーが築いたAIと職人の協働モデルは、今後、他のクラフトビールメーカーや食品業界にも広がる可能性を秘めている。
AI技術が進化し続ける中で、人間の創造性とデータ駆動のアプローチが融合する新たな価値創出の形が確立されるかもしれない。
COEDO BREWERY | コエドブルワリー 公式
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