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博報堂DY、World IDで「人間だけに届く広告」開始 AIエージェント時代の新会社を設立

PlusWeb3 編集部
PlusWeb3 編集部 Web3・AI専門メディア

2026年6月29日、株式会社博報堂DYホールディングスは、人間認証型アドネットワーク事業を担う新会社「Ads for Humanity」を設立したと発表した。World IDを活用し、AIやボットを排除して認証済みの人間だけに広告を届ける新サービスを開始し、AIエージェント時代の広告基盤構築を目指す。

AI時代の広告不正に人間認証で対抗

博報堂DYホールディングスが設立したAds for Humanityは、人間認証技術「World ID(※)」を活用した広告商品「Human-Verified Ad」の提供を開始した。氏名やメールアドレスなどの個人情報を共有せず、人間であることだけを証明した利用者へ広告を配信する仕組みで、AIエージェントやボットによる広告接触を排除する。

背景には、AI技術の進化に伴う広告業界の課題がある。従来のボットとは異なり、最新のAIエージェントは商品比較や広告クリック、フォーム入力まで人間に近い形で自律的に実行できるようになった。その結果、広告費を不正に消費するアドフラウドが拡大し、広告効果の測定データにもAI由来の行動が混在することで、配信アルゴリズムの精度低下が懸念されている。

博報堂は2025年にTools for HumanityおよびLG Electronicsと共同で実証実験を実施した。食品や化粧品、家電など10社の広告主と3,500人超の利用者が参加し、従来のWeb広告と比べてクリック率は約10倍、直帰率も約15ポイント改善する結果を確認した。この成果を受け、新会社では広告主や媒体社との連携を本格化し、人間認証型アドネットワークの事業拡大を進める。

※World ID:個人情報を開示せず、オンライン上で「実在する固有の人間」であることを証明する認証技術。AIやボットと人間を区別できる仕組みとして、Tools for Humanityが開発・提供している。

広告業界の新基準となる可能性も

Ads for Humanityが運営する「Human-Verified Ad Network」は、認証済みユーザーだけを対象とする広告配信に加え、広告配信記録をブロックチェーンへ保存する特徴を持つ。広告が実際に人間へ配信された証拠を改ざんできない形で残せるため、広告主は透明性の高い効果検証を行えるようになる。
AIエージェントの普及が進めば、人間による閲覧とAIによるアクセスを区別する重要性は一段と高まる可能性がある。広告配信だけでなく、マーケティング分析や広告料金の算定基準も、人間認証を前提とした設計へ移行する動きが広がるかもしれない。

一方で、今後はWorld IDを取得した利用者をどこまで拡大できるかが普及の鍵となる。広告媒体やサービス事業者が十分に参加しなければ配信規模は限定されるほか、特定の認証基盤への依存が進むことを懸念する声も想定される。
AIによる自動アクセスが当たり前になる時代を迎える中、「人間だけに広告を届ける」という発想がデジタル広告の新たな業界標準となるか、今後の展開が注目される。

博報堂DYホールディングス ニュースリリース

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