JCBはMysuranceが企画開発した「推し活キャンセル保険」の販売開始を発表した。
国内外のライブやイベント遠征で発生する交通・宿泊などのキャンセル料を補償し、JCBカード会員の推し活を後押しする。
推し活遠征のキャンセル料を補償
2026年7月7日、株式会社ジェーシービーは、損害保険ジャパンの子会社で少額短期保険業を営むMysurance株式会社が企画開発した「推し活キャンセル保険」の販売開始を発表した。
JCBカード会員専用のWEBサービス「MyJCB」から利用できる「JCBのほけん」を通じ、6月30日から申し込みが可能になっている。
同保険は、ライブやイベントのために国内外へ移動するファン層を対象とした商品だ。
突然の公演中止や延期、交通機関の遅延・欠航、急な通院や入院などにより発生した遠征費のキャンセル料を、保険金額を限度に補償する。
商品は「国内遠征版」と「海外遠征版」の2種類を用意しており、国内遠征版では遠征費3万円の場合、保険料900円で加入できる。
背景には、拡大する推し活需要と、保険を必要なタイミングで案内する接点づくりの課題がある。
JCBは2025年7月に「JCBのほけん」を提供開始し、カード会員向けの保険申し込みや管理を簡素化してきた。
一方、Mysuranceは同商品の認知拡大が進むなか、ライブやイベントの当落発表後、利用者が交通・宿泊を予約するタイミングで案内する仕組みを求めていた。
Mysuranceは2019年に損害保険ジャパンの戦略子会社として営業を開始し、2026年1月には累計保険契約件数200万件を突破している。
デジタルとデザインを活用し、必要なときに直感的にアクセスできる保険商品の開発を進めてきた。
体験消費に広がるキャンセル保険
今回の販売開始は、JCBとMysuranceが、趣味消費の不安を減らす商品設計に踏み込んだ事例と言える。
推し活では、チケット代だけでなく、航空券、新幹線、ホテルなどの遠征費が大きな負担になりやすい。
そこにキャンセルリスクを補償する選択肢が加われば、利用者は遠征計画を立てやすくなる可能性がある。
メリットは、保険加入の接点が利用者の行動に近づく点だ。
推し活層は当落発表後に交通・宿泊を確保することが多く、その時点で保険を検討できれば、必要性を理解しやすい。
JCBにとっても、「JCBのほけん」を通じた保険サービスの拡充により、カード会員との接点を保険領域まで広げられると考えられる。
一方で、保険商品である以上、補償対象や支払い条件の理解は重要になる。
公演中止、交通機関の遅延、急な通院など、対象となる理由は整理されているが、利用者が「どの費用が、どの範囲で補償されるのか」を誤解すれば、不満につながるおそれもある。
申し込み導線の分かりやすさに加え、補償条件を直感的に確認できる設計が求められるだろう。
今後は、推し活のように移動や宿泊を伴う体験消費を対象に、目的特化型のキャンセル保険が広がる可能性もありそうだ。
JCBの会員接点と組み合わさることで、保険が「万一の備え」から「体験を安心して楽しむためのサービス」へ変化していくとみられる。
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