2026年7月3日、茨城県は「いばらきフィジカルAI産業創出コンソーシアム」の設立を発表した。県内企業によるフィジカルAI関連ビジネスの創出や利活用を促進することが目的で、共同研究や事業化支援を進める。設立に合わせ、7月28日にはキックオフイベント「IBARAKI PHYSICAL AI SUMMIT 2026」を開催する予定だ。
県内企業向けに事業創出支援を開始
茨城県は、フィジカルAI(※)分野での産業創出を加速するため、「いばらきフィジカルAI産業創出コンソーシアム」を設立した。対象は県内の中小企業やスタートアップで、大企業や大学、研究機関、金融機関などは賛助会員として技術や知見、資金面から支援する。
コンソーシアムでは、最先端技術の学習機会の提供に加え、企業同士のニーズ・シーズのマッチング、ビジネス創出に向けた伴走支援、先導的な研究機関や企業との共同研究などを実施する。入会費・年会費は無料としており、県内企業が参加しやすい環境を整えた。
設立に合わせて7月28日には「IBARAKI PHYSICAL AI SUMMIT 2026」を水戸市で開催する。日立製作所によるフィジカルAIの最新動向に関する基調講演や、Unitree Roboticsによるヒューマノイドロボットのデモンストレーション、県内ロボットベンチャー3社によるピッチイベント、産学官によるパネルディスカッションなどを予定している。
茨城県は世界のフィジカルAI市場が2040年には約60兆円規模へ拡大すると見込まれる中、県内企業の新規事業創出と競争力強化につなげたい考えである。
※フィジカルAI:ロボットなど身体を持つ機械がAIを活用して周囲の状況を認識し、自律的に判断・行動する技術。製造業や物流、建設など実世界での活用が期待されている。
地域産業の成長に期待 人材育成が成否を左右
今回の取り組みは、県内企業が単独では取り組みにくいAIやロボティクス分野の研究開発を、産学連携や企業間連携によって進めやすくする点が大きなメリットの一つと考えられる。技術交流や共同研究が活発になれば、新たな製品やサービスの創出に加え、地域経済の活性化にもつながる可能性がある。
一方で、フィジカルAIはAIだけでなく、ロボット制御やセンサー、機械設計、安全性評価など幅広い専門知識が求められる分野である。市場の拡大が見込まれる一方、高度人材の確保や継続的な資金・実証環境の整備が進まなければ、事業化まで結び付かないケースも考えられる。
今後は、コンソーシアムを通じてどれだけ実証実験や共同開発が生まれ、県内企業の事業化へ結び付けられるかが重要なポイントになると考えられる。地方発のフィジカルAI産業育成モデルとして成果を示せれば、他自治体へ波及する先進事例となる可能性もある。
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